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リーンの日常  作者: Irene
26/40

村人奮闘記   作戦決行!(オキャクサマ編)

一部偽物ですが虫の表現は入ります。

苦手な方はお気を付けください。(ペコリ)

「なんでこんなとこに穴があんだよ?!

しかもなんだよこの濡れたカーテン?!

さっきガキの声が聞こえたけどあいつらのか?!(おめ)えよ!」カサ……カサ……


可笑しい、何かがおかしい。

喚いてる相棒の文句を聞きながら脳をフル回転させる。

俺の感が今すぐここから逃げろと告げている。

だが……


「……やっぱり捕まる場所すらない……か。」カサ……カサ……


「んあ?なんか言ったか兄弟。」カサ……カサ……


「たぶんこれは人工的に作られた穴だな。普通の穴だったら今頃俺たちは這い上がれている。

掴まるようなでっぱりも無いって事はそれも計算して作られてるってことだ。

しかもご丁重に成人男性3人分の深さ……」カサ……カサ……



落した後、外に出さないための穴か。


カサ……カサ……



そしておそらく濡れたこのくそ重たいカーテンも態と落としたんだろう。

この重さなら下手すれば骨折くらいはする。

大体こんな辺鄙な場所に子供たちが洗ったカーテン干しに来るなんて……

どう考えたって不自然だろう。

骨折はしなくても濡れたこれならいくら夏でも冷える。


カサ……カサ……



……こんな場所で風邪をひいたらやばいどころじゃねえな……

これを指示した奴えげつない性格だな。

子供を使うところが余計にえげつねえ。


カサ……カサ……



※村の子供たちの独断である。



さて、どう出るかだ……

っち!監視カメラすらないこの田舎の電線を持って行ってまたうっぱらうはずが……

まあ、いい。

予定道理の時間に車に戻らなかったら様子を見に来るだろう。


カサ……カサ……



組織のお偉方にはあとでどやされるが……

結果さえよければ黙るさ。

ああ、でも一つ引っかかってたんだよな……

俺のクソ爺がこの村にだけは盗みに行くなって言ってたんだよなあ。

何度聞いても理由言わなかったが。

まさか落とし穴(これ)が理由とか言うなよ?


カサ……カサ……


「お、兄弟考えるの終わったのか?」カサ……カサ……


「まあ、一通りはな。ま、今は冬じゃないんだ、仲間が来るまで待とうぜ。」カサ……カサ……


「おう!」カサ……カサ……


しかしなんだ?この音?

俺らの足元から聞こえるが……

っち!懐中電灯は落ちた拍子にどこかに飛んで行っちまったから何も見えねえ。



カサ……カサ……



まあ、大したもんじゃねえだろう。



わんわん!!



「ああ?」カサ……カサ……


「お、兄弟、犬だぜ。ありゃあジェーマンシェパードじゃねえか!良い毛並みだなあ……」カサ……カサ……


「ああ、売ったらいい金になるな。しかも3匹居やがる。」カサ……カサ……


穴に落ちてなければ捕まえてうっぱらうってのに……ついてねえなあ。


「美奈ー?熊にパンチャー?どうしたんですかー?そこらへんは古い落とし穴があるからあぶな……だ、大丈夫ですか?!お怪我はありませんか?!」


女?こんな時間に……って田舎ではこの時間帯でも普通に犬の散歩をするか。夏だしな。

 

((兄弟、あの女いい値段で売れそうですぜ?))カサ……カサ……


((ああ、この村はこの間の下調べでも報告したが顔が整ってるやつが多い。))カサ……カサ……


((この女利用してここから出ようぜ!んでもって犬共と一緒にいつもののオークションに売ろう!))カサ……カサ……


((いいアイデアだな。そうと決まれば任せろ。お前は喋るなよ?))カサ……カサ……


「あのー?聞こえてますかー?っは!!それとも怪我をして声も出せませんか?!」


「いや、大丈夫だ!まさか人に会えるとは思わなくてびっくりしてたんだ。悪いがここから引き揚げてくれないか?友人と散歩をしてたらこの穴に落ちたんだ。」カサ……カサ……


「ああ、よかった無事なんですね!

ああ、どうしましょう……私一人ではお二人を引き上げるのは無理ですし……」


「近く蔦か何かないか?」カサ……カサ……


「ここいらは自生していなくて……

あ!そうだ!近くに狩猟小屋があります!そこからロープを持ってきますね!」


「それは助かるよ。ああ、後何か上着を持っていないか?

さっき濡れたカーテンが落ちてきてな……濡れてしまって肌寒いんだ……」カサ……カサ……


「カーテン?あら、そういえば転落防止のカーテンがありませんね。きっとそれでしょう。

んー、上着はありませんがちょうど毛布を持っていますのでそれでどうでしょうか?」


「充分だ!ありがとう。」カサ……カサ……


「投げますねー」


ぼとぼとぼと!


「「うお?!」」ガササササ!


「どうしましたー?」


「いや……毛布と一緒に何か落ちてきただけだ。きっと小石だろう。」カサ……カサ……


「そうですかー。あ、あとライトもくるんでますから―位と心細いと思いましてー」


「ありがてえ!ありがとうよ!じょうちゃん!」カサ……カサ……


「じゃ、行ってきますねー」


「おう!」カサ……カサ……


やっぱり都会の女と違って警戒心がなくて素直だな……

しかもお人よし。


「兄弟早く毛布くれよ!さみい!!」カサ……カサ……


「おらよ!俺はライトをつける、ああ、古いタイプか……懐かしいなこの黄色い光……え?」カサ……カサ……


「おおーさみい……お、兄弟明かりをつけてくれたのかあか……る?」カサ……カサ……ポト




「「ぎゃあああああああ?!」」カサササササササササササ!!!


昔ながらの黄色い光が照らした俺らの足元には無数の黒い虫。

一匹見つければ無限に出てくるアイツ。

人間ですら食料とするヤツだ!

半分食われている虫もいた。

相棒を見るとそいつの持っていた毛布からも次々と色々な虫が出てきた……

さっきから聞こえた音の正体に今更ながら気づいた。

気づいてしまった……

あのカサカサと言っていた音は……こいつらが落ち葉を這う音だったのか!!


「女ああああああ!!!!早くロープもってこいやあああ!!!くそう!!なんだよこれ!!」


「き、ききょうだいいいいいい!!俺、食われたくねえよおおおおお!!!」


「ああくそう!!女あ!あいつまだか!!ここから出たら売るまで痛めつけてやらあああ!」



わん!!

わわん!

ばう!!


「ああ?」


「き、兄弟……い、犬たちが……」


ぐるるるるる×3


「ほっておけどうせここに降りてくるわけがねえ!今はこの虫どもをどうにか……」


「兄弟あぶねえ!」


どすん!


ぐるるるるるるる

がるるるるるるる

がううううううう


うそだろ……


「兄弟いいいい!!」


「や、ヤメロ……ほら、いい子だから、な?ここから出たら遊んでやるし骨もやるから?な?」


がう!!×3


「「う、うわあああああああ!!」」



陽「……」

リーン「なにか?」

陽「何あのキャラ。」

リーン「いつもの私ですが?」

陽「あんなやさしさないでしょうかああ?!」

リーン「私はやさしさの塊ですよ?」

陽「……続きよろしく。」

リーン「(あ、突っ込むのやめましたね。)はーい」


感想お待ちしております!(ぺこり)

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