村人奮闘記 作戦決行前!
さあて、やんちゃな人たちにはこの村の裏の名前を骨の髄までしみこませて差し上げましょうか?
ああ……愉しみですねえ?
「おや、マリアではありませんか。今はあなたが当番ですか?」
「あ、リーン!うん、そうだよん!」
「いい子ですねえ。ちゃーんと気配消してましたか?」
「もっちろーん!!あ、後ね最初ここにおきゃくさまを案内した子達、罠の上に洗い立てのびっしょりと濡れた分厚いカーテンをうっかり落しちゃってねえ?回収できなかったんだってー!」
「あらあらうっかりなら仕方ありませんねえ?
それに皆さんまだ未熟だからそばに行けば気配が駄々洩れですものねぇ……
それで引きずり込まれたらコトですものねえ?」
「ねー?」
「お前らこええよ。小学生と大人が邪悪な顔で話し合ってるってこええよ。せめて取り繕えよ。」
「あら、私達は純粋に報告し合ってるだけですよ?さて、マリア。
ここは危ないので家に帰ってくださいね?
これから起こることは子供たちやご老人方が見るために生配信してますからね?」
「はーい!!地獄を見せちゃってねー!!」
「無垢な笑顔で何言ってんだー?!」
「はい、お休みなさーい。
ん?ニック何かおかしなことありまして?」
「……うちの村の子供たちの将来が心配だ……将来生まれる俺の子供には純粋でいてほしい。いやマジで。」
「この村の遺伝子がある限り無理ですね。」
「まじか……
ところでよ?なんでガキどもに見張りやらせてんだ?必要ねえだろ?」
「おバカさんですねえ?
そんなのあの子達に経験を積ませるために決まってるじゃないですか。
さて、お集まりいただいた皆々様?
準備はよろしくて?」
「うお?!いつの間にこんだけ集まった?!気配はあったが青年団だけかと思ったぞ?!」
マリアと話してる間に皆さん気配消しつつ集まってましたよ?
いやーさすが年長組。姿が目視できるまで気配感じませんでしたよ。
さすが戦争を生き抜いただけありますねぇ……
さて、
警察の許可はいただきました。
いざとなれば軍も動かせましょう。
万が一にも逃げられた場合の為の包囲網もできています。
さあ、宴を始めましょうか?
「諸君、私は平和が好きです。
まったりするのも好きです。
皆さんと偶にわいわいするのも好きです。
ですがこの度、我が村では事件が起こりました。
とても痛ましい事件です。
そのおかげで色々な混乱が起きました。
ですが、今!!暇つぶしに作った罠に元凶がかかりました!!
これはきっと神の御加護でございましょう!!
あと私の普段の行いの良さ!!
さあ、盟友諸君。
老いも若きも差別せず、
彼の者達にかわいいいじわるをいたしましょう?
我らが極悪村と呼ばれる所以、
今こそ知らしめる時だと思いませんか?」
「「「おおおおお!!!!」」」
「殺すなよ―今回は警察もいるから隠ぺいがめんどくなるからなー。
傷害もやめろよー?こんな奴らの為にムショ行きなんざ冗談じゃねえ。わかったなー?」
「「「サーイエッサー!!」」」
おやおやリーダっぷりが板についてますねえ?
どこぞの会長に爪の垢煎じて飲ませたいものです。
さて……
始めますかねえ?
「監視担当ジム!愚か者達の現在の状態の報告!」
「はい!罠内に仕掛けた暗視カメラで状況を確認!
子供たちがうっかり落した濡れたカーテンに体の熱を奪われてます!
尚、怪我はしていない模様!ッチ
色々と愚痴を言ってるけどまだ結構余裕そうだよ!」
最後の笑顔でごまかそうとしましたが、舌打ちが聞こえてましたよー
気持ちはわかりますが。←
「作戦実行部隊隊長ニック!これより作戦開始とします!すべての準備はよろしいでしょうか?」
「武器……じゃねえ護身用の小物の準備オーケー!
全員にインカムは行き渡って装着済みだ。
ほい、おまえの分。
髪は降ろしておけよ?見えねーだろうが念の為だ。
万が一取り逃がした場合の包囲網もやっている。
念の為に罠に落ちた直後おきゃくさん達が気を失ってる間にボタン型の発信機は取り付けている。
ちょっとやそっとじゃ取れねえだろう。
警察連中が来るまでにまだ時間はある。
道中彼らには色々とトラブルにあってもらう!
到着予定時間は今から2時間!お前の犬達も3匹とも待機中。
やる気満々だ。
何時でもどうぞ?麗しき大女優殿?」
大女優?そんな大層な者はいませんよ?
すこーし人より説得力があるだけです。
「さあ、皆様方?愉しい、タノシイ、パーテイーを始めましょう!」
「「「うおおおおおおお!!」」」
「さあ、罪人さんたち?恨むのでしたらわが村をターゲットにした己の不運を恨んでくださいね?」
「そうそう、俺らの村は極悪村。その意味を身をもって知るがいい。なーんてな?」
「それでは現時点より、私総合隊長リーンが……
作戦の開始を宣言いたします!!!」
陽「……もうこの時点で犯人たちに同情するわ。」
リーン「まだ作戦が始まってすらいませんが。」
陽「子供たちの言ってたカーテンってさ……めちゃくちゃ重くって下手したらケガする奴じゃあ……」
リーン「よくお分かりで!」
陽((犯人たちどんまーい……))
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