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リーンの日常  作者: Irene
17/40

収穫時の雑談

夏といえば恒例のブドウの収穫。

そんなときもやりますよね雑談!



「あちー……死ぬ……」


「ニック、黙って手を動かしてください。業者の方が来るまであと一時間ですこのままだと間に合いません。」


「誰だよ時間間違えて伝えたのは!!」


「あなたですよこの野郎。」


「うえ?!」


まったくだから私がお伝えするといいましたのに……



「本当如何してくれましょうか……」


「モウシワケゴザイマセン。」


ああ、うん。

そんなしょげないでください、主人に怒られた犬みたいですから。

罪悪感が半端ないですから。

あとついでに言いますと……


「うっとおしい……」


「ひでえなおい?!」



まあ、起きたことは仕方ありません。


とりあえず手を動かしますか……



「なーリーン。」パチンパチン……(ブドウの蔦を切っている音です。)


「何ですかー?」パチンパチン……


「ギリシャのワインが世界最古のうちの一つだって知ってたかー?」パチン


「産地としては世界最古ですよねーこの国で知らない方っています?」ぺチン あ……


「あーあ!切るの失敗してやんのー!

そうそう、もともとはフィニキア人から伝わったんだっけか?」


「これくらいは大丈夫だと信じたいです。

紀元前2000年頃に伝わってきたといいますね。当時は水に薄めて飲んでいたようです。」


「てかそれこっちから見たら腐ってるの多いから出荷できねーぞ?

そうそう、だからクラッシっていうワインを表す言葉も混じるって意味だから付けたって説があるよな。」


「うそでしょう?!あ~本当です……切損じゃないですか……

そうですね~あと昔からワインの栄養価に気付いていたと思われておりますね。」


「ま、横に置いておいて、家にもって帰って冷やして食うか。

まあ、日常生活に欠かせないもんな、今も昔も。」


「そうしましょう!!そして冷凍庫で冷やして食べましょう!

議会とかでも飲んでましたよね~歴史書とか絵画とかでもよく描写されていますし。」


「うし!次の列に行くか!

そういえば乾杯とかもギリシャ発祥だったな。」


「ああ……終わりが見えません……

ええ、そうです。ワインに毒が入っていないことを証明するために、ディナーのホストが最初の一杯を飲んでいましたね。

ギリシャ語で乾杯を”あなた方の健康のために!!”っていうのもその名残(なごり)です。」


「言うな…

ああ、それを真似したのが古代ローマだろ?で、今や全世界でやってると……ちょっと感動だよなー」



遠い目をしないでください……

そう言えばギリシャのワインは酸味が多いから古代ローマの方々はパンを浸してたんですよね~



「とりあえず手を動かしましょう……

ああ、今日は終わったらフィデーが食べたいです……入れるワインは白にしましょうか赤にしましょうか……」


「おう……

それいいな~ワインの酸味と、フィデー(スパゲテイーの一種)の歯ごたえと、砂糖の甘さのコラボレーション……そして、ほんのりとわかる塩の味……」


「お腹が空くので止めてください。そう言えばフィデーは昔の風習のなごりだって知ってました?」


「そうだな……ん、うちのブドウはやっぱ旨いわ……

へえ?それはしらなかったな。」


「あ、ずるいです!私も食べます……ん!美味しいですねぇ……

はい、昔は子供のころから水で薄めたワインを健康のために飲ませていたようですよ。」


まあ、水があんまり安全でなかったから、ワインで相殺して子供たちに渡してた、というのが真相のようですが……

因みに水に薄めず飲んだらアルコール中毒の疑いがかかってました。

てかアル中として怒られてましたね。



「そう言えば今年のワインのラベルのデザイン決めてないな……どうするか……」


「今年は間違えて酢にしないでくださいよ……?去年の二の舞はご免です。」


「ああああれはちょっと失敗したんだよ!!」


ああ……去年はびっくりいたしました……

出来立てのお酒の試食をするために行ったのに飲んでみたらお酢……

しかも匂いはフルーテイーだったのでそれに騙されて一気に飲んで……ああ、あれは二度と嫌です……



「そういえばラベルが初めて使われたのってギリシャらしいですよ?」


「まじか?!」


「はい、美術館とかにアンフォラという密閉するツボみたいなのありますでしょう?

それの両手の取っ手に生産者のスタンプと生産地域の支配者のスタンプが押されていたらしいですよ。」


「ちなみにアンフォラで保管することによって長期間熟成することが可能だったな。」


「へーすげえな俺らのご先祖たち。」


「あ、あの……ニック……」


「ちなみに古代ギリシャの書物にヴィンテージの記載もあったな。」


「おお!!!」


「……」


「ん?あれ?リーンいつからそんな野太い声……に……」


「さあて、なんで元凶のお前は呑気にくっちゃべってるんだ?ん?」


「あ……あ……ぎゃあああああ!!」




次の列にいっておきましょう。

私はきちんと手を動かしてましたしね!

うん、

悲鳴なんて聞こえません。

助けを呼ぶ声なんて聞こえません。

さあ!業者の方が来るまで終わらせますかー!(棒読み) 




ちなみにきちんと業者の人が来るまでに終わらせました。

(ニックは終わったとたんに灰になりましたが。)

時間を間違えたのは事実です。

炎天下の下必死にやったので死ぬかと思いましたねえ……


皆様も誰かとお約束するときは時間の確認をいたしましょう!←


感想お待ちしております。(ペコリ)

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