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リーンの日常  作者: Irene
13/40

トリック オア オーダー!!

「「「トリック オア トリート!!

ようこそ一日限定ハロウィンカフェへ!!」」」


……何故こうなったんでしょう……


事の始まりは今月上旬、私の愚かな呟きでした……


「そういえば10月というとハロウィンですよね~」


その呟きを拾ったのが我が幼馴染達。


「何だそれ?聞いたことないぞ?」


っとニックがバイクを弄りながら聞き、


「何それ何それ~?」


っと車を目に痛い紫で塗っていたジムが言いました。


ちなみにこの二人は兄弟です。

なぜでしょう……紹介がいまさらな気がします。


……そしておじ様が車を見たら発狂しますね。



「いえ、今月の31日はそういう行事があるのを思い出しまして。

元々はただの収穫祭なのですが、

今では此方で言うカーニバルの様な物になってます。」


「へ~」


「それって仮装してパレードをするってことか?」


「いえ、まあある意味パレードですね。

おもに子供たちがモンスターの仮装をして、

家から家へとお菓子をガメに……失礼、強請りに行くんです。

ちなみに決まり文句は:『トリック オア トリート』です。」


「それどういう意味~?」


「確か……菓子をくれなきゃ後悔するぜ!!的な感じでしたっけ?」


「うわ~かっげき~」


「信じるなジム、其処まで酷くはないだろ……


直訳すれば 待遇するか企むか で、リーンの話しを踏まえてカスタマイズすると……」


「お菓子をくれなきゃ虐めるよ!」


「に、なるな!」


何故無駄に推理口調……

面白いからいいでしょう。


「じゃ~その日なんかやろ~!」


「でも10月28日の近くですよ?

参加する人いると思います?」


「あのな……この村の特徴忘れたか?」


「嘘吐きの極悪村。

「それ侵略者限定だよ~

むしろ良い嘘吐きだよ~」


「もう一つあるだろ?お祭り好きって言う特徴が!

行事と聞いてじっとしてるやつはいない!」


確かにみんなお祭り騒ぎが好きですもんね~


「ね~どうせなら村の青年団も巻き込もう!!

会長こういうの好きだし!」


「後ディアもな!」


……なんか着々と彼らの中で計画が出来つつあるようです……


「おい!リーン!実際その日に何をやるのか詳しく説明してくれ!」

「はいはい……」







そして10月28日。

パレードが終った後の打ち上げで計画が発表されました。


「ヤロー共ー!!

今日のパレードはご苦労だった!

英雄達への感謝はもういいとして……

飲んで歌って踊り明かすぜ!!」


「「「おおー!!」」」


……何故ニックが乾杯の音頭をとっているのでしょう?

って、ああ、会長もう酔い潰れてたんですね。



「それじゃ~みんな集まったことだし~

次の企画を発表するよ~」


「次の企画?」


「次の行事は11月17日だろ?」


「そうそう、反政府学生デモが警官隊と衝突した日。」


「今から打ち合わせするの?」


まあ、思ったとおりの反応ですよね~


「まあまあ、落ち着いて~」


「今から俺らが……


「私達が説明するね!!」


っておい!ディア テメー!」


ディア、ニックたちを押しのけるのはイイですが、私も引きずり出さないで下さい。

私はおとなしく端っこで皆さんの反応を(さかな)にお酒でも飲んでますから。

思う存分目立ってください。


「だって元々の発端はリーンでしょう?

なら説明する義務もあると思うな!」


無駄に素敵な笑顔を有難うございます。



「だが断る!説明は最初から彼らに任せるつもりですし。

私は人前に立つのが苦手です!」


「ウソツケー」


「リーンちゃんめんどーなだけでしょー」


「そうとも言います。

それに適材適所と言うものがあるんですよ。


考えてみてください私が説明したらどうなると思います?」


あ、これ自分で言ってて虚しくなってきました……


「脱線するね。」

「脱線シュルナ!」

「違う話しになるわね。」


……会長ろれつが回らないのなら寝ててください。

突っ込むためだけに起きないで下さい。


「というわけでニック達説明任せました!!」


「リンちょん会長がはきそー」


「トイレに連れて行ってください!!」


「えーバーシャか弱い女の子なのにー」


「誰が女の子ですか!!貴方バシーリと言う名の厳つい男性でしょうが!!」


「チチチ、今はバーシャよん」ウィンク


と……鳥肌が……

流石にあなたのガタイでそれは……せめて流し目だけに……


「「それだー!!」


「ひにゃあ!ななななにがですか?!」


「リーンちゃんびっくりしてるー」


「キャワユーィ!」


ディアびっくりして悪いですか?

この間ホラーを見ていたときの反応ビデオにとってるんですよ?

今もって来て皆さんに見せましょうか?


バシーリそろそろせめてその話し方止めてください。

私の肌が持ちません。(鳥肌的な意味で)


「で?何がですか?」


「だから男女逆転だよ!」


「それぞれ仮装だけじゃなくて男装、もしくは女装するんだよ~!」


「ショレシャイヨウ!」


「酔っ払いはそこらで寝ててください、

確かに面白そうですね。


後はそれぞれの仮装にあった喋り方をするのはどうでしょう?

ジャックは子供っぽく、魔女は無邪気に、といった風に。」


「決め方は如何する?」


「はいハーイ!ジャンケンで!!それならずる出来ないし、でもリーンは強制ね!」


「何故ですか?!」


「満場一致だから!」(いい笑顔)


先ほどからちょろちょろ何をしてるかと思えば……

今度は皆さんに何を吹き込んだのやら……


「後はメニューですか、

如何しま


「「「「リーンの手作りで!!!」」」」


……サヨウデゴザイマスカ。」


「まあ、一人で作るにも限度があるからね~手伝える子を何人か選ぶから安心して~!」


「ちなみに私も手伝うからね!大船に乗ったつもりで、どーーんと!任せてね!」


全員「?!」←顔面蒼白


それは大船ではなく泥舟ですよね。

はてさてどうやって止めましょう?

あ!


「そうですね、それは期待できます!」


「おいリーン何言ってんだ?!」


「『特別』なお客様へのお菓子を作っていただけますか?

限定品ですから少量で済みますからお一人でも大丈夫ですよね?」


「ええ!そんな大役私でいいの?!」


「はい、むしろ貴女にしか出来ません!」


「ちょーっと待った!!

リーン話がある、こっちに来い!」


あららニック真っ青ですね、如何したのでしょう?(確信犯)


「如何しました?」


「それはこっちのセリフだ!何考えてんだ?!バイオテロでもする気か?!」


「それもいいアイデアですが今はやりません。

まあ、強いて言えばトリック用のお菓子です。

嫌なお客様にはこれで退場してもらいましょう。」にっこり


「ああなるほど!だからアイツが作るのか。納得だ!」にやり


「如何したの?二人でこそこそして……」


「なんでもないですよ?」


「よし、デイアお菓子はお前の好きなやつ作れ!

お前の手にカフェの命運はかかってる!(主に防犯的な意味で)」


「ウン!頑張るね!」



((毒見役(と言う名の生贄)は誰にしましょう?))

((会長で良いんじゃないか?←))


「じゃ~こっちも役柄が決まったし後は衣装だよね~」


「ハヤ?!あれ?ジム俺やってねえぞ?!」


「大丈夫~こっちで決めたから~」


「ぜってーろくなやつじゃねー」


「(無視)それじゃ~衣装係担当の女子達~頑張れ~」


「「「任せて!」」」


アンジュ……貴女が筆頭なのですね……

これからの私達に、合掌。




そんなこんなでむかえたハロウィン当日つまり今。

無事カフェがオープンしました!


え?衣装合わせはどうなったかって?

禁則事項とだけ言っておきましょう……

ただ、終わったあと屍が多々ありました。

時に女子は恐ろしいです……


そして冒頭のセリフに戻ります。



「あの~ネットで予約してたんですが……?」


《お名前をお伺いしても宜しいですか?》


「はい、マリア カルーラです」


《少々お待ちを……


はい、マリア様とご友人様達3名のご予約ですね?

今お席に案内します。


(わたくし)は本日貴女の専属になります、

ミイラ男のマームです。

宜しくお願いいたしますね?》


「は、はい……」 


おやおや顔を赤く染めて可愛らしい。


ちなみに今の私は全身きっちりと包帯を巻いた、

燕尾服のミイラ男です!

ちなみに声も変えております。


気分は某子供名探偵さんに出てくる色黒関西弁探偵です。

あの話しでの彼の変装は素晴らしかったです!


「オイ見ろよあの2人……」


「うわ。何だあの色気!」


?誰のことd……ああ……

すばらしいできばえですよね~(棒読み)


あらあら接客されてる人たちが哀れなほど真っ赤に……


そのうち鼻血とか吹きそうですね。


(わらわ)に何を所望するのじゃ……?」


「いえ、あの、その、これを、お願いします……」(真っ赤)


そうですよね、

セクシーな雪女が肩を露出させてお色気ムンムンでオーダーを聞きに来たら、緊張しますよね。

ですが幾らなんでも枝垂(しなだ)れかかるのはやりすぎでは……?


「罪深き私に天命を下さりませんか?」


「ヒュ~!じゃーこのコーヒーセットをくれ!」


「ああ!有難うございます!慈悲深き神父様!」


何故に天命?

……って神父さまーーー!!


何やってんですか!!アナタ腐っても聖職者でしょう?!

何吸血鬼シスターに鼻の下伸ばしているのですか?!

あれ?こっち向きましたね、

えっと……


妖艶(ようえん)なシスターが悪い》?←口パク


如何しましょう今すぐあの生臭神父の元へ行って殴りたいです……

(.)に睨まれてるからやりませんが。


しかしさすがアンジュです!

何処から如何見ても女性にしか見えませんねえ。


ニックの着物姿も目のやり場に困るほどですし、

ジムのシスター姿は何人か鼻血を出すほどですし……


いや~帰りぎわに正体を明かす時が愉しみです!(イイ笑顔)

おっと私は私の仕事をしなくては!

さ~今日は稼ぎますよ!

目指せ!日本旅行用資金集め!!

今こそお父さんに習った対女性用口説きテクニックの活用時です!


「リーン!コスタがきたー!」


そう言いながら来たのはわが親友デイアです。


可愛い猫耳をつけた着物姿で。


……グッジョブですアンジュ!

ダブルの尻尾も良く出来てます!


ですがやりすぎてお姉さま方が犯罪予備軍になりましたが(何回彼女を連れ去ろうとした(ひと)がいたか……)


「ふふふようやく来ましたかあの年中セクハラ男、今こそ復讐のときです!

guys じゃなかった ladies! stand by!!」


「「「yes sir!」」」


「デイア有難うございます。それでは貴女の作ったお菓子の準備をしてくれますか?」


「ウン!コスタの好きなロールケーキを用意してくるね!」


日ごろの恨み!

今こそ晴らさせてもらおうぞ!!








「「「「「「カンパーイ!」」」」」」


「いや~大成功だったね~」


「会長は何もしてませんよね。」


「何言ってんの~いちゃもんつけた人たちの処理してたじゃん~」


「デイアのお菓子でノックアウトした人たちを棄てに行ってただけじゃないですか。」


「あれ結構重労働だよ~後で二度とやらないほうに滅却処……説得しなきゃだし~」


「はいそこー黒いオーラださなーい!」


「打ち上げ時にゴミの話をししちゃ駄目だよ~?」


(((あの兄弟さらりとゴミって言ったー!!それより滅却処分って何ー?!)))


「ねーリーンそれよりさ~何時になったらコスタは私のお菓子の美味しさの余韻から覚めるのかな?」


「貴方のお菓子は美味しすぎるので一生目が覚めないのでは?」


「ヤダナ~照れる~!」


(((リーンさんさらりと死亡宣言?!)))


(お、オイ救急車呼んだほうがよくね?)


(イヤイヤ此処は葬儀屋だろ?)


「生きてるわー!!」


「「ワーゾンビダー!!」


「待ちやがれモブどもー!!」


「「誰がモブだー!!」」


「リーンに名前おぼえられてないやつらが口答えすんなー!!」


「リーン~?まだ名前覚えてないの~?」


「お、覚えてますよ!あれですよね?ジャックとノワールですよ!」


「それ見たまんまだよね~」


「うるさいです会長。」


「なにやってんだ?会長?ほら、みんな二次会会場にいったぞ?」


「ニックく~んなんで君が仕切ってるの~?俺会長だよね~?」


「日ごろの行いが悪いからだよね!」


「デイア、さすがの俺も傷つくよ?」


「はいはい行くぞ~」


「「は~い」」


「あれ?リーンは行かないの~?」


「ああデイア……ちょっとやることがあるので少し遅れますね?」


「?分かった~早く来てね~」


「待ってるわよ~ん?」


「「会長キモイ。」」


「ふふふ、さて、と

今年は楽しんでいただけましたか?お二方?」


え~っと確か此処に置いておいたはず……あ!ありました。


「此方は私の作ったかぼちゃのクッキーとマドレーヌです。

家までの道のりは長いでしょう?

どうぞ共にもっていってくださいませ。


《ハロウィンを楽しんでいただき有難うございます。

それでは本日をもちまして今年のハロウィンを終らせていただきます。

また来年私(わたくし)どもが開催するイベントにお越しくださいませ?


それでは失礼しますね。


ジャック・オ・ランタンの方そして黒猫の方》。」


さて、私も二次会に行きますか!


?何か不思議そうな顔をしてますね?

!ああ……


「フフ、私は人の名前をめったなことがない限り忘れませんよ?

とくにこの村の人間の場合はね。

それにあなた方はコンセプトにそっておりませんでしたから。

あらやだ、(.)(.)を言ってしまいました。

年はとりたくありませんね~」


さて今度こそ行きますか。



ああ、最後にもう一度。


「トリックオアトリート

来年も遊びにこないと……

イタズラ しますよ?」



パタン……





二次会場にて





会「そういえば~あの二人一体なんだったの~?」


リ「スパイです。(たぶん)」


デ「何で来たの?」


ジ「そりゃあ、楽しそうな企画があったら来るって!」


ニ「そりゃそうだな。」


リ「でもあの二人毎回この時期に来てますよ?」


会「へ?」


リ「その度に誰なのか調べてるのですが手がかりが無くて……


しかも何故か顔を覚えられなくって……

気配でそうだとは覚えてるんですが……


ほんと何処の村の方々なのでしょう?」


全員「……(リーンの情報網をもってしても分からないっていったい……?)」





感想お待ちしております(ペコリ)

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