今日も私の周りは平和です!前編
「リ──ン!」
ドン!という音を立てて私の家の扉を開けた(……開けた?)のは我が親愛なる親友ディア、
相変わらず顔に似合わずパワフルである。
もう少し落ち着けば引く手数多だろうにと思うが仕方が無い、これが彼女なのだから。
「ディア、そんなに慌てて……どうしたんですか?」
まあ、何時もの事なので壊れそうな扉はスルーして……本日の訪問理由を聞くことにしましょうか。
「今そこでニックに聞いたんだけど、なんか面白いお菓子を作るんだって?!」
俺が材料を用意したんだって自慢してたよ!!
と不機嫌に私に言いながら詰め寄ってきました。
「ああ、ほら。
この間彼、インターネットのあるサイトでバケツプリンを見ましてね?
それが食べたいって昨日言ったんです。で、そんなに食べたいなら材料もってきてくださいって言ったら……今日の明け方自分の鶏小屋の卵とヨルゴの所の牛乳を持ってきたんです。
で、せっかくだし豪華版プリンパフエにしようかと!!」
さすがに明け方に持ってくるとは思わなかったですが……
ドンだけ食べたいんですか?!っと寝ぼけ眼で突っ込んだのはまだ記憶に新しいですねえ。
「それがどうしたんですか?」
余談だがニックとは私の所詮幼馴染です。
好き嫌いはあまり無いのですが菓子類に関しては私が作ったもの以外は食べないんですよねえ。
彼曰く
「他の奴等の作ったやつは不味い!」だそうです。
それはさておき、
「ディア?」
先ほどから彼女がものすごく不機嫌なのですが……
「たし……に……ない……?」
「ええっと今なんと?」
声が小さすぎて聞こえなかったんですが……
「私にはくれないの?」
っと目にうっすらと涙をためて私を見る一匹のチワワ、コホン、我が親友。
ああ、そういうことですか、
そう、何を隠そう、彼女もまた私の作るお菓子が大がつくほど好きなのです。
仲良くなった切欠もお菓子だったですね~ と始めてあった頃の事を思い出してたら……
「ニックが、ニックが!あんの糞ガキが!!
今日のお菓子は俺とヨルゴのためだけにリーンが作るんだって!!
あたしにはくれないって!!
何なのあいつ!昨日あいつの分のティラミスを食べたことまだ怒ってるの?!」
「ああ、それで怒ってるんですね……」
相変わらずの敵対心、アッパレデス。
でもディア……彼とあなたでは1歳しか違わないんですよ?
あ、話に出たヨルゴはニックの親友です。
この二人事あるごとにお菓子を巡って喧嘩をするんですよね……
と思わず遠い目をしてしまいましたよ。
「いやちゃんとディアの分も作ってますけど?」
もとよりこの可愛い彼女のために作らないという選択技はないのです!!
私は自他共に認めるほどに彼女に甘いのですから!!
「ほんと?」
っと此方に目を輝かせながら聞く彼女。
ドウシテクレヨウコノカワイイイキモノ。
なんか尻尾が見えてきました……
疲れてるのでしょうか?
ああーうん取り合えず煩悩退散です。
「ほんとですよ?ちゃんと冷蔵庫に入れてあるから後で皆で一緒に食べましょうね?」
「うん!あ、そうださっき村長に会ったんだけど…」
「そうなんですか?何か伝言でも?」
「うーん、いやそれがね……」
珍しいですね、彼女がここまでハッキリといわないなんて……
最後にこんな風になったのは確……か……っは!!
「まさかとは思いますが、 ばれました?」
「たぶんバレテル かな?」 テヘ!
「き、緊急指令発動!四の五の言わず皆を集合させますよ!」
携帯は何処に置いてましたっけ?早く対策を考えないと!!
「ほう?誰にじゃ?」
「そんなのあの三人しかいないじゃない!バカね~。」
「誰のことかのう?」
「いや、ニックとヨルゴとジムしかいま……せん……よ?」あれ?
「そうかそうか、ジムも参加しておったのか」
因みにジムはニックの弟です。(現実逃避)
「ねえリーン今ものすごく聞きたくない声がしたんだけど?」
「奇遇ですねディア私も聞こえたような気がします。
幻聴でしょうか?いけませんね疲れでしょうか…」
「お前ら諦めて現実を見ろ」
っとニック。
貴方いつの間に来たんですか……え?さっき入って来た?
気づきませんでした……
「その気持ちはわかるけどね……」
此方の発現ははヨルゴ。
……私たちより前に捕まってたんですね……
後ろを振り向きたくないんですが如何しましょう……
というよりいつの間に家の中に?
「おぬしの母親が入れてくれたぞい?」
ああ、そうですか、なっとくです。
「ウム、それでは本題にはいろうかのう?」
嫌な予感がするので逃げたいです村長!
「ふぉ、ふぉ、ふぉ、逃がすと思っておるのかの?」
思ってませんごめんなさい逃げないので怖い顔をしないで下さい(ノンブレス)
「何を言う、こんなぷりちーなおじいちゃんを捕まえて。」
……もう何もいうまい……
「リーン、なんとなく何を言ってるのか解ったけどお願いだから声を出してね?」
「まったくだ。」
「スイマセンあまりにもナチュラルに心を読まれてたので声を出すのを忘れてました。」
「フツー忘れないと思うんだけど?!」
ごもっとも。
「さて本題に入るかのう?」
「「「チッ」」」
やはり煙に負けませんでしたか……
さすが元軍師、基たぬき。
長いとのお声があったので投稿しなおします!
協力感謝!!