陰田君はかく語りき
陰田「なあ」
普男「なに?」
陰「着ぐるみの中に入ったことある?」
普「いや、ないけど?というかああいうのには中になにもないもんだろ。」
陰「まあ、そういう考え方してたほうが幸せだよな。」
普「で、急に何?」
陰「いや、前大学の部活勧誘で段ボールの塊のような着ぐるみに入ったことがあってな?急に思い出してむかついてきたのよ。」
普「へえ、なんでさ?暑かった?」
陰「別にそんなことはなかったわけではないが、そこが問題ではなく、人が寄ってくるというところだ。」
普「いや、着ぐるみなんだししょうがなくね?部活勧誘の時点でそういう目的で作られてるわけだし。」
陰「確かに、最初は喜んでやってたさ。どう動くのが自然かとか考えながら。しかし、やはり心無い輩はいるもんで目に空いた穴から中身を覗こうとしてくる。中身女?とか聞くやつまで。女だからなんなの?って思ったね。男だけど。」
普「それは面倒だ。」
陰「だろ?しかも横に空いた空気穴にゴミを投げ入れて遊ぶやつまで。どうしてそんなことを思いつくのか理解に苦しむよ。」
普「どっかの高校でマスコットを池に突き落としたとかで高校自体がそこの遊園地出禁って話を聞いたことがあるな。どこも考えることは同じなんだな。」
陰「そこで考えた。着ぐるみの中に人はいる。が、人はいないものとして楽しむべきだと!」
普「なんか矛盾してない?人がいるのにいないって?」
陰「そうかもしれないが、着ぐるみの中にいる人は頑張っている!なのに、ないがしろにするのはいかがなものか。しかし、着ぐるみ大変ですね。なんていったらそれこそおしまいだ。夢もへったくれもない。じゃあどうするか。心のなかで感謝しながら握手とか写真を撮ってもらえばいいんだ。」
普「それはいい考えだと思うな。うん、今度からそうしよう。」
陰「だろ?」
普「それで?おまえはいつ遊園地に行くんだ?」
陰「え?行かないけど?」
普「・・・」




