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コンビニたん  作者: ウナ
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3日目 【面接に来ました】

【3日目:面接に来ました】






PM5:45


今日はバイトの面接をしなくてはならない。

正直、俺はこの面接というやつが苦手だ。

相手を品定めし、使えそうかどうか判断しなくてはならないからだ。


たかがコンビニオーナーである俺が人様を品評するなど、

随分と偉そうだな、と思うのである。


しかし、バイトは必要だ。

嫌でもやらなくてはならない……。


「今日の面接は2人か」


「沼津さん、JK取りましょ、JK!」


真っ昼間から犬のように盛っている彼は、

2年ほど勤めてくれているバイトの男子高校生、仁田(にった)くんだ。

しかし、JK(女子高生)って君はおっさんか。


「客商売だから見た目で判断はするけど、

 態度とか雰囲気次第では可愛くても普通に落とすぞ?」


「いいじゃないッスか、華がありますって!」


「まるで今は華が無いって言いたげだな、仁田」


仁田くんの背後に立ち、拳を震わせるこの女の子は下田さん。

花も恥じらう女子高生である……ちょっと怖いけど。

彼女もまた2年近く勤めてくれている仁田くんの同級生だ。


「待って、待って、別に下田さんに華が無いって事じゃないッスよ」


「別にいいよ、どうせあたしは華なんてないし」


彼女は黒髪のおかっぱ頭で、口と耳にピアスをしている。

世に言うV系バンドの追っかけ、バンギャというやつだ。


ちなみに、仁田くんはインド人のような濃い顔をしている。

インド映画に出ていても何も違和感無いだろう、Oh…マハラジャ。


「下田さんも充分華はあるよ」


「オーナー……」


「それじゃ、しばらく店任せるね」


俺はイートイン(飲食が出来るスペース)に移動し、

事務的な作業をしながら面接に来る女子高生を待つ事にした。


「ちょっと下田さん、マジ仕事してくださいって」


「ごめん、ぼーっとしてた」


それにしても仁田くんの声はデカいな。

客商売としてはいいのだが、少々熱苦しい感じはする。

今度、声のボリュームを落としてくれと言ってみるか。


そうこうしていると、女子高生2人が店を訪れる。


「面接を受けに来た大川です」


「おなじく~、城ヶ崎です~」


第一印象で優劣がハッキリとしてしまっていた。


大川さんはスポーツ少女といった感じか。

礼儀正しく、ハキハキとしている地黒の女子高生だ。


城ヶ崎さんは一言で表すなら"ギャル"である。

金髪に長いまつ毛にバッチリ化粧顔。

見た目に反して喋り方はかなりおっとりとしている不思議ちゃんだ。


「こちらへどうぞ、2人とも座って」


イートインへと案内し、女子高生2人と向かい合って座る。

履歴書を受け取った俺はそれに目を通しながら言う。


「2人は……まだ15歳なのかな?」


「はい」 「はい~」


「なるほど、誕生日は近いし問題はないね」


簡単な質問などしていると、盛った犬が騒ぎ出す。


「ちょ、ちょ、マジ可愛いじゃないッスか!見てくださいよ!下田さん」


「はいはい、可愛い可愛い」


下田さんの華麗なスルーが炸裂するが、仁田くんには効いていない。


「俺、金髪の子が好みッスわ、マジヤバいッスわ」


仁田くん、全部丸聞こえだぞ。


「煩くてごめんね」


女子高生2人に軽く謝ると、2人の反応は両極端だった。


「いえ、気にしてません、今は面接に集中していますから」


「え~?なんで謝るんですか~?」


あぁ、城ヶ崎さんはあれか、天然ってやつかな?

それとも、知っていてあえて判らぬフリをする子か……。


「私は可愛いってよく言われますから~、気にしてませんよ~」


あ、そっちでしたか。


「君たちは友達、なのかな?」


「はい、幼馴染です」 「そうで~す」


「なるほど、なるほど……っと」


大川さんは採用して間違いない人材だ。

スポーツをやってそうな引き締まった身体と、

ハキハキと喋る事により好印象を与える。


問題はこっちの子……城ヶ崎さんなのだが……。


「沼津さん!2人とも取っちゃいましょ!ね!」


去勢した方がいい犬が騒いでいるが、スルーしておこう。

と思っていたら、意外な事に城ヶ崎さんが仁田くんにこう言ったのだ。


「せ~んぱい、邪魔ですよ~、今はめ・ん・せ・つ・中です☆」


言い方はアレだが、正しい事は言っている。

そして、仁田くんが素直にそれに従っている。

鼻の下はだらしなく伸びていたが。


「よし、君たち採用」


「え? あ、ありがとうございます!」


「ありがとうございます~」



こうして新たなバイトが増え、コンビニは今日も営業中。



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