ビヨンド・ビッグ・トラブル
近くに街があるというのに、なぜ小さな集落があるのか。それは読んで字のごとく、遠出をする為の馬を一括管理するのにある程度の敷地が必要だからだ。
街が大きくなるにつれて、馬の需要も増していった。街中で馬を管理するのが難しくなった辺りで、それならばと街の外に施設を設けたことが馬宿の始まりである。
これが中々に良い案で、ただ馬を管理するだけの場所だったのが、いつしか馬の貸し出しも始まり、街の名産品を売る行商人も出始め・・・
「要は道の駅、的な。」
「う~ん・・・。ま、その認識でええわい。」
シロの解説により、勇太はやっと得心がいった。なぜ街がすぐそこにあるのに、宿泊施設が存在するのか理解出来なかったのだ。
確かに考えてみれば上手い商法だな、と勇太は思った。お土産を買い忘れたらここに寄ればいい。街ではなくここに泊まれば、色々苦労もあろうが安く済ませることも出来る。問題は・・・
「あくまで馬の管理がメインってこと、か・・・。」
勇太は周りを見渡した。木で出来た簡易的な柵がぐるっと広い範囲を囲っている。だいたい学校の運動場くらいだろうか。その範囲内に、建物はひとつしかない。
入り口付近の厩だけだ。それ以外は全てテントである。
「誰がどこで寝ようと自由。ただし、自分で何とかすること。それが馬宿のルールです。」
そうマリアが教えてくれた。見ると、夜に備えてテントを張っている者、夕食を作り出している者、テントを露天化して商いをする者、様々である。
「大抵の人は街で一泊するので、混み合うこともありません。悪天候に弱いのが困りものですけど。」
なるほど。少なくとも自分たちが今日ここで寝ることは可能なようだ。
「でも道具持ってないよ?どうすんの?」
「安心せい勇太。そんな冒険者の為に、宿泊用具一式を貸し出しする商人もいる。」
「はぁ~。上手く出来てるねぇ。でもそんな自前のテントもない冒険者なんているの?自分で言っててなんだけど。」
「まだまだ頭が堅いのう。確かに大抵の冒険者はどこででも寝泊まり出来るように、一通りの道具を持ってるじゃろう。しかし、逆に言えば最初っからここの貸し出しを使うつもりなら、その分荷物が少なくなるじゃろ。」
「あ、なるほど。」
「その場合、ここを拠点とすることになりますけどね。街中の宿に泊まるお金を稼げない駆け出しの冒険者に多いですね、そういう人。」
マリアの言うとおり、ここを利用している冒険者は若い人が多いようだ。
「後は何か理由があって街に入れない人とか。」
「マリアよ。その話はもうやめるのじゃ。」
「僕らはどっちも当てはまってるね。ははは。」
「笑いごとかバカたれ!」
場を和ませるつもりだったがシロに怒られてしまった。しょうがないので、勇太は話を戻すことにした。
「貸し出しがあるのは分かったけど、僕お金持ってないよ?シロ持ってるの?」
「いんや。一銭も持っとらん。」
「あ、それなら私が出しますよ!遠慮なさらず!!」
ここぞとばかりにマリアは主張し出した。このマリアの激しい恩を返したいアピールは何なんだろう、と勇太は不思議に思う。シロではないが怪しく思ってもおかしくないくらい必死だ。恩を返さないと死ぬ病にでも掛かっているのだろうか?
しかし、どれだけマリアが怪しくても、現状シロも勇太も無一文には変わりない。マリアも熱望していることだしここは・・・と、勇太は考えたのだが。
それに待ったをかけたのはシロであった。
「いや、マリアに借りるには及ばん。我に考えがある。」
そう言ってシロはニヤリと笑った。対照的にマリアは絶望したかのように打ちひしがれている。
そんなマリアに勝ち誇ったかのように、自信満々にシロは告げた。
「勇太の持ち物を売ればいいんじゃ!!」
「え?僕の?」
「うむ!勇太は地球出身。地球の発達した文明の産物は、異世界に置いて高く売れる。これもテンプレのひとつよ!」
「へぇ~。」
蓋を開けてみれば完全に人頼みの案だった。まぁ勇太としても一晩を凌げるなら物を売るのにやぶさかでない。しかし・・・
「売るのは別にいいけどさ。僕なんももってないよ?携帯とかスマホとか持ってたら高く売れそうなもんだけどさ・・・。そもそも地球の時から持ってなかったからね。」
そう言って勇太は自分のズボンのポケットを引っ張って見せた。ものの見事に何も入っていない。
それでもシロは嬉しそうに言う。
「最初っから勇太にそんな上等なもん期待しとらんよ。」
「失礼なやつだなシロは。」
「大丈夫じゃ。お主は数多くの主人公たちが使い古した手法を真似たらええんじゃ。」
そう言って、シロはニコニコと笑顔を浮かべて、勇太に右手を差し出して言った。
「脱げ。」
「え?」
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露天商は勇太の着ていた学生服にたいそう喜び、銀貨三枚で買ってくれた。更に勇太の代わりの服をサービスしてくれるオマケつきだ。
「まぁ街中のデカい織物屋で売れば10倍は違ったろうな。この際文句は言ってられん。」
「いやなんかこの服チクチクすんだけど・・・」
「慣れろよ勇太。ずっと同じ服を着てる訳にもいかんかったろ。いつかは通る道じゃぞ。」
「だったら自分のを売れば良かったのに・・・」
ぶつぶつ文句を垂れる勇太を差し置いて、シロはテキパキ話を進める。
「ほれ勇太。次はテントを借りにいかんと。」
「はいはい。」
その後2人は貸し出し商から宿泊用具一式を借り、適当な場所を探して本日のキャンプ地を決定した。
「よし勇太!テントを作るぞ!」
「え?もう?まだ夕方にもなってないよ?」
勇太の発言にシロは大きく溜め息を付いてしまう。何も分かってないこの現代っ子。シロは仕方なくかぶりをふって答えた。
「はぁ・・・これだからインドア根暗男は。」
「酷い言われようだ。」
「ええか勇太や。お主テントを1人で立てたことあるんか?」
「う~ん・・・。ないね。小学校の野外活動で友達と立てたことあるくらいだね。」
「それ見ろ。しかも現代の簡単に立てられるようなハイテクなやつじゃろ?この“アガルタ”は魔法がある代わりに文明の発達に関しては地球と比べて何世代も遅れとる。テントひとつとってもそれはそれは重労働なんじゃ!!」
「あ~。確かに。」
実際テントの袋を開けてみると、中身は大きな
布と長さがまちまちな鉄の棒が何本かのみ。説明書なんて当然のことながらない。
「日が落ちてしまってからでは遅いんじゃ。周りの冒険者が既にテントを張っとるのが良い例。いいいか?異世界転生ガチ勢である我に言わせればこうした実生活の苦難もしっかり味わってこその異世界なんじゃ!!」
「何そのこだわり?」
異世界転生ガチ勢という意味不明なワードは置いといて、確かに準備を早々に始めねばならないことに勇太は気付いた。
「じゃあさっさと作ろうか。」
「うむ。勇太はテントを作れ。とりあえず寝ることが出来れば不格好でも文句は言わん。風で飛ばないようにしっかり固定するんじゃぞ。」
「え?僕1人でやるの?シロは?」
「飯の準備が必要じゃろ。石を集めて竈をつくり、木を集めて火をおこし・・・。鍋とランタンはテントと一緒に借りたからいいとして、露天商から食材を買って来ねばな。大忙しじゃ。」
「お~。シロがまともに見える。」
「いつもまともじゃボケぇ!」
頭を叩かれてしまった。勇太としては誉めたつもりだったのだが、乙女心は難解である。
「まったく・・・。とりあえず我は竈の為の石を探してくるから、お主もさっさと始めよ。」
「分かった。・・・ねぇシロ。」
「なんじゃい?」
「こういうのって大変だけどさ・・・楽しいね!!」
そう言って勇太は笑った。テントも食事の準備も面倒くさいことばかりのように思えるが、勇太にそう言われると、シロとしても何だか今が楽しく感じてしまうから不思議だ。
「バカなこと言っとらんと、しっかり仕事するんじゃぞ。」
言葉とは裏腹に、シロの口調は優しかった。言われた勇太はまた笑った。冒険が始まってまだ初日とは思えぬほど怒涛の展開が続いたが、やっぱり旅に出て良かったとシロは思った。
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「さぁて、手頃な石を探すとするかの。」
シロは一旦馬宿を離れ、近くの林に入った。馬宿周辺は他の冒険者に取り尽くされたのか、丁度良い大きさの石が無かったのだ。そのため、仕方なく林まで来るハメになってしまった。
運ぶのに労力が必要だが、無いのだから仕方ない。奥まで行かねば魔物に出くわす心配もないだろう。
そう思って、石の探索を始めた。
「いしいしい~し~♪下から読んでもい~し~♪」
ものすごい馬鹿くさい歌を口ずさみながら、石を探していた。しかし・・・
「い~しを探してい~し~し~・・・し?」
手頃な石を見つける前に、何かを見つけた。
「ん?なんじゃこ・・・りゃ・・・」
見つけてしまった。理解してしまった。それはただのゴミだ。ただのゴミ、だが・・・
「ま、マズい!!!」
シロは石のことなど完全に忘れて駆け出した。顔面は蒼白だ。シロの手に握り締められたゴミは、ある意味で
世界に混乱をもたらしかねない。
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「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ勇太ああぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「え!?何々!?どうしたのそんなにあわてて!?」
シロが類を見ないほど取り乱して駆けてきた。相当なトラブルがあったらしい。
「ゆ、ゆう、ゆう・・・ゼヒュー・・・ゆ・・・コヒュー・・・ヵ、ゲホ、ゲホゲホゲホォ!!!」
「ちょ、シロ!一回落ち着いて!!女の子とは思えない有り様になってるよ!!」
余りの全力疾走に、シロの肺がイってしまった。空前絶後の超絶美幼女(自称)が、モザイク一歩手前まで追い込まれている。
「ゆ、勇太さん!一回飲み物を差し上げた方が良いですよ!」
「そ、そっか!シロ、ほらこの水飲んで!!」
そう言って手渡された水をシロは一気に飲み干した。キンキンに冷やされた水が、悲鳴をあげていた喉や胃に染み渡る。
「カハッ!フゥー・・・フゥー・・・。」
少し落ち着いて来たようだが、まだ肩で息をしている状態だ。シロを心配する勇太は背中をさすってあげている。
「ゆ・・・ゆう・・・ゲホッ!ゲホッ!」
「し、シロ!落ち着いてからでいいって!ちゃんと聞くから!」
「勇太さん!一回温かい物を胃に入れて落ち着かせましょう!」
「そ、そうだね!ほらシロ、座って!!」
そう言って勇太はシロを座らせると煮込んでいたシチューを皿によそって、シロに差し出した。
「ほらシロ。ゆっくりこれ食べな。」
「う、うむ・・・」
シロは言われた通りにゆっくりシチューを口に運んだ。イモを噛み締め、スープを胃に運ぶ。全部を食べ終わった頃にはすっかり体は落ち着きを取り戻していた。
「はぁ~・・・。うむ!もう大丈夫じゃ。心配かけたのう。」
「落ち着いた?良かったぁ~。何事かと思ったよ。」
「いや、すまんすまん。我としたことが。」
「いいよいいよ。次からあんなに慌てちゃだめだよ。身体が一番の資本なんだから。」
「勇太さんの仰る通りですね。物事は慌てるほど悪い方に転がっていくものですから。」
「その通りじゃな。次から我も常に冷静を心掛けるとしよう。」
「そりゃシロには難しい話だね。」
「言ったなこいつめ!」
「「「あっはっは!」」」
「あっはっは!じゃないわぁぁぁぁ!!!」
急に立ち上がってシロは叫んだ。端から見ると完全に情緒不安定だ。
「な、何!?もう冷静さを失ってんじゃん。」
「当たり前じゃバカたれぇ!!長いことノリッコミさせおってからに!!!」
「いや誰もそんなん頼んでないんだけど」
「黙らっしゃい!!」
そう言ってシロはさっきからツッコミたくて仕方なかったことをツッコんだ。
「なんで!!既に!!テントも料理も!!完成しとるんじゃい!!!!」
「え?そこ?」
「まずはそこじゃ!!何だったんじゃあの仕事を分担する前のやり取り!?日常の苦労を楽しんで乗り越えようとする勇太と我の美しくも微笑ましい一場面はどーした!?」
「いやどーしたと言われても。」
「我はまだ石のひとつも拾ってないわい!!なのになんで全部終わっとるんじゃい!?」
その問いに、勇太は笑いながら答えた。
「え?シロはまだ石一個も拾ってないの?」
「神ハイキック!!」
「おぶふっ!!」
口は災いの元。ふざけていい場面かどうか判断を誤った勇太の顔面に、一切手加減のない蹴りが入った。
「我は仕事が終わっている理由を聞いとるんじゃ。あ?五体満足のうちに答えい。」
目が座ってる。なぜ仕事が終わってるのにそれを怒られているのかさっぱり分からない。しかし答えないと次はどんな暴力が飛んでくるのか。
「い、いや、テントを立てるのに四苦八苦してたらさ・・・」
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「う~ん。ペグとかないのにどうやって固定したらいいのか・・・。」
「あれ?勇太さんではありませんか?何かお困りごとですか?」
声のする方を見てみると、いつの間にか消えていたマリアが、さも偶然と言わんばかりに通りかかるところだった。
「あれ?マリアさん。いや、テントの立て方が分からなくて・・・。」
「あぁなるほど!それは大変ですね!」
そう言って勇太に近寄ってきたマリア。勇太の持つ棒をひょいと勇太から奪うと、下に置いてあった天幕用の大きい布を持ち、勇太に見せた。
「勇太さん見て下さい。天幕の四隅に穴があいてるでしょう?」
「あ、ホントだ。」
「この穴に棒を通して地面に差すだけ。はい、終わりです。簡単でしょ?」
「え?それだけ?」
「ええ。本当はもっと大変なんですけど、勇太さんたちが借りたテントは一番安いタイプですから。ぶっちゃけただの棒と布なんですよね。四隅に棒を立てて上に布を張るだけ。横からの風なんて一切無視!みたいな。」
マリアの言うとおり、粗雑にも程がある。しかしそれならそれでやり方さえ分かれば直ぐに出来そうだ。
「あれ?棒の長さが違うのはなんで?」
「屋根が真っ直ぐだと雨とか降ったときに上に水が貯まっちゃうじゃないですか。だから多少なりと傾斜が必要なんですよ。」
「なるほど・・・あれ?」
そのように解説を受ける内に気付けばマリアはテントを完成させていた。
「さ、次はご飯の準備ですね。シチューでいいですか、勇太さん?」
「え?あ、うん。僕はいいけど・・・。」
「それならあそこの露天でこれを買ってきて貰えますか?」
そう言ってマリアはメモを勇太に手渡した。
「このメモを渡せば全部露天商が用意してくれますから。お願いしますね。」
「わ、分かった。」
マリアの勢いに押し切られ、勇太はお使いに出た。言われた通りに露天商にメモを渡すと、すぐに一式揃えてくれた。お代に至っては「既にいただいておりますので」と言われてしまう始末である。
狐につままれたような心地で、勇太はテントのある場所に戻った。
「マリアさ~ん。買ってきたよ~・・・あれ?」
戻ってみると、何故かテントがグレードアップしている。棒と布だったのが、かなりしっかりした作りのテントに変わっていた。
「あ、勇太さんありがとうございます。」
「ね、ねぇマリアさん。なんかテントが変わってんだけど・・・。」
「あぁ、すみません。流石にちょっとあのテント、3人で寝るにはアレかなぁって思っちゃって。あ、大丈夫ですよ!私のワガママですから、お代は私が払います!」
「え?3人?3人で寝るの?」
「え?やだもう!勇太さんったらエッチなんだから!男女で寝られるように中はカーテンで区切られてますよ!」
「は?いやいやそう言うことじゃなくてさ・・・。」
「そ、それとも勇太さん・・・私に添い寝して欲しいんですか・・・?」
そう言って顔を赤らめながら身をくねらせるマリアは、どことなく色気が感じられた。女性に免疫のない勇太は真っ赤になって否定する。
「い、いや違う!違うって!!そんなこと言ってないから!!」
「じゃあ予定通り男女はカーテンで区切って寝るってことでいいですか?」
「も、もちろん!そうしよう!!・・・あれ?」
言おうとしたことってこれだっけ?と悩む勇太に時間を一切与えず、マリアは続ける。
「じゃあ次はシチューを作りましょうか。勇太さんは料理出来ますか?」
「え?いや、お恥ずかしながら全く・・・。」
「そうですか。しょうがないですねぇ。では私が・・・。」
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「神ラリアット!!」
「ぐふっ!!」
結局素直に質問に答えても、宙に舞う運命の勇太だった。
「怪しさマックスじゃろがい!!!何をお主は流されとるんじゃ!!!」
「いやしょうがないじゃん。気付いたらどんどん進んでんだもん。それにマリアさんは別に悪いことしてるわけじゃないし。」
「神サマーソルト!!」
「えべっ!!」
相当な怒りのようだ。普段温存しているシロの必殺技がバーゲンセールのように放出される。
「マリアよ!お主一体何を企んでる!!」
そう言って睨むシロに、マリアは優しく微笑んで返す。
「いえいえ。何も企んではおりませんよ。私は本当に恩返しがしたかっただけですから。」
胡散臭い。胡散臭いにも程がある。勇太でさえそう思うくらい胡散臭い。しかし、マリアの次の一言で、会話の流れは一転させられてしまった。
「それより、シロさんはなにか慌ててらっしゃいましたけど?そちらはもうよろしいんですか?」
「!!!」
そうだった。ストーカーのごとく這い寄ってくるマリアなんかより、もっと一大事なことがあったのだ。
「勇太!!」
「え?今度は何?」
神サマーソルトによって沈んでいた勇太は身体を起こし、シロの方に顔を向けた。その顔目掛けて、シロは手に持っている例のゴミを掲げた。
「ん?何これ?なんかの紙切れ?」
勇太の目の前に差し出されたものを良く見ると、破れた紙の一部分のように思える。
「分からんか?よぅく見てみい。」
言われて更に凝視する。千切れているので分からないが、どうやら何か文字が書いてあるようだ。
「・・・“魔”?」
「そうじゃ。よく見て思い出せ。最近どこかで見たことはないか?」
言われてみれば確かに最近見たような・・・。
「あっ!!」
「気付いたか・・・。」
「チートスキルの紙だ!!」
そう。それは、知ってる頃の形とは違っていたので分からなかったが、天界でもらってすぐに無くしたスキルの紙に違いなかった。




