走り続ける男
10月に入った。
千葉大宮高校に入学してちょうど1年になる。
去年の今頃、不安を胸に入学式を迎えた。
遥か、遠い昔のように感じた。
もう、何年もこの学校に通っているような気がした。
( まだ1年しか経ってないのか… )
あと半年で、私もこの高校を私も卒業することになる。
卒業したら、ここに来ることがあるのか…
もう、2度と訪れることはないのではないか…
平成26年度後期スクーリングが始まった。
スクーリングも残すところ8回。
その8回のスクーリングも、1回に1科目。多くても2科目の授業だけで、ほとんど学校にいることはなくなった。
先生との会話も卒業のことが中心だった。
生徒達と顔を合わせる機会が、殆どと言っていいほど無くなった。
私は、試験勉強に早くから取り組み始めた。
試験範囲はレポートの内容が中心となるが、レポートに出題されている専門用語やその意味などすべて暗記するつもりでいた。
もちろん教科書や参考書も食い入りように読んだ。
不思議と苦痛ではなかった。
これで終わるのかと考えると、何故か寂しい思いがした。
今年もそろそろ終わりに近づいてきた。
年末に差し掛かり世間も慌ただしくなる。
スクーリングが終るとクリスマス。クリスマスが終わると大晦日。
ひとつの行事が終わると、次の行事を迎える。
そうやって、月日が過ぎ、年月が過ぎていく。
時間はどんどん流れていく。決して止まったりはしない。
だから、私もここで止まるわけには行かない。
齢43にして現役高校生。齢53になっても、何かしらの現役として走り続けなければならない。
もしかしたら、
『 更生 前科二犯 53歳の現役大学生 』
として、走り続けているかもしれない。




