表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/75

教師に間違えられる男

千葉大宮高等学校は、10代や20代前半の若者が多い。中には高齢の方も在籍していたが、私達の年代は数名しかおらず、やはり、自分の存在が特異に思えた。だいたい、教師ともあまり年齢が変わらないのである。年下の教師も多い。



あれは入学試験の時だった。ある女の子から、


「先生、こんにちは」


と、声をかけられた。


私は、とっさに、


「えっ、ああ、こんにちは…」


と返事返してしまったが、無理もないと思った。スーツ姿の私が、まさか同じ試験を受けに来ている、一受験生とは誰も思わなかっただろう。このように、その日は頻繁に挨拶された。



岩手県立の高等学校において、51単位を修得していた私の本校における今年度の履修科目は、


2単位選択 A 『 政治経済 』


2単位選択 C 『 オーラルコミュニケーション』 ( 以下オーラル )


2単位選択 C 『 書道Ⅲ 』


4単位選択 A 『 地理B 』


4単位選択 B 『 日本史B 』


4単位選択 D 『 フードデザイン 』


を、選択した。


これらの履修科目は、登録手続きによって選択科目を登録しなければならない。指定された登録手続きに参加出来ない者は、事前に申し出て、後日の登録手続きに出席しなければならない。登録手続きに出席しない生徒は退学となる。


登録手続き終了後、各クラスに別れて入学式当日の説明とレポートの配布があった。


私の生徒番号は、


『 20138006 』


クラスは、


『 13G 』


だった。


秋入学の私達、『 13G 』の生徒数は約10名ほど。


私は、この内の数名の生徒と会話をしたが、やはり、聞かれたのは年齢だった。

ある女子生徒が、


「今田さん、年は何歳ですかぁ?」


と聞いてきたので、


「えっ、42歳ですけど ( とっさに、敬語になってしまった ) 」


と、答えたら、


「えっ!私のお父さんと、同い年っ!」

「けど、あんま、お腹出てないし、お父さんと全然違うっ!」


「ああ…そうなんだ」



私は、現役女子高生のパワーに圧倒された。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ