千葉県立千葉大宮高等学校
平成25年4月、私は、入学案内を受け取りに千葉大宮高等学校を訪れた。
千葉市若葉区大宮町に在る、
『 千葉県立千葉大宮高等学校 』
は通信制専門の高等学校である。
かつて、この千葉大宮高等学校は全日制高校であり、当時は不良の多い高校として有名であった。
高校に到着し、いざ門の前に立つと、今まで抱いていた
『 希望 』
という言葉が一瞬にして消え去り、
『 不安 』
という言葉が胸いっぱいに広がった。
( 俺は、本当にこの学校でやって行けるのか… )
生徒達は、みな10代から20代前半という。
そんな若者達と、
『 42歳 』
の、私が机を並べて授業を受ける。
そんな姿を想像すると、心の奥底から何とも言えない恐怖感が込み上げてきた。
( やめてしまおうか… )
( 何も、今更、教科書相手に頭を悩ませることもないだろう )
私もそうであるが、人間は1度ネガティブな思考を持ち始めると、それを瞬時のうちにポジティブな考え方に切り替えることが難しい。少しでもネガティブになると、考えなくてもよいことまで考えてしまい、足が踏みとどまってしまう。結果、前に進むことが出来なくなる。
高校の門の前で、考えなくてもよいことまで考えている時、ふと、これに似た恐怖心を、かつて持ったことがあることを思い出した。
そう、少年鑑別所で少年院の事をあれこれ想像し、独房の中でひとり恐怖心に苛まれていたことを…
あの時の気持ちとまったく同じだった。
その瞬間、
( ああ、なら、大丈夫だ!あの時も色々と想像して、ひとり恐怖のどん底に陥っていたが、実際の少年院生活はまったく違っていた。高校もそれと同じだ )
飛び込んでみなければ分からない!
私は、入学案内を受け取りに校内の事務室に足を赴けた。




