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父の訃報

27歳の時に結婚したが、元来が家庭向きでなく、仕事にも就かない私に家庭を養う事は出来なかった。

結婚生活は5年ほどで終わった。



2度目の受刑先は、群馬県内のの刑務所だった。

この刑務所は、かつて私が収容されていた少年鑑別所と同じ市内にあった。

群馬県に足を踏み入れたのは約8年ぶりだった。

群馬県某市の主要駅から護送車で刑務所まで向かったが、その車中からジッと外の風景を眺めていた。

中学生の頃、鈍行電車に乗ってよくこの市に遊びに来たことを思い出す。あの頃は、手の付けられない暴れん坊で、この市内の中学生ともよくケンカをしていた。ある時は、地元のヤクザから、


「おいっ、元気のいいチュー坊ども。もっと暴れて、中学出たらウチにこおっ!」


と笑われた。


( そういえば、中2の頃、ここに不良映画を見に来る時、みんなで話し合ったなぁ…大勢の地元のヤツらとケンカになったら、どうするべ…とか )


それも、遥か遠い昔のことのように思えた。

あの頃は、将来のことは全く考えなかったが、このような人生を歩むこともまた予想できなかった。


( こんな事になるとは… )


人生とは分からないものだと、しみじみ思った。

いつ転落するのか分からない…



刑務所内でも、ただ工場と舎房を往復するだけの生活だった。

必要以上、口を開くことは無かった。


何に対しでも、やる気が起きなかった。



懲役4年目の春、処遇部門に連行された。

私は、何で連行されたのか分からなかった。

処遇部門の調べ室に入ると、


「そこに掛けて待っていなさい」


と、刑務官に言われた。


暫らくすると、分類統括と処遇首席の幹部刑務官と主任刑務官が入って来た。

私は、すぐさま起立をした。


「称呼番号、氏名」


主任刑務官の声。


「463番、今田信義」


私は、すぐさま答えた。


「まあ、掛けなさい」


処遇首席が声をかけてきた。


分類統括が口を開く。


「実はな、前日、お父さんが亡くなっと連絡があった…」



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