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外で頑張る若者達

県立高等学校通信制課程の入学式が挙行された。

入学式は所内の会議室のが使われ、刑務所長をはじめ、幹部刑務官、県立高等学校の学校長、教師が参列。刑務所内ではあるが、華々しい門出となった。


通信制高等学校卒業には、


『 74単位の修得 』



『 30時間以上の特別活動 』


が必要となる。それらを満たして、初めて高等学校長より卒業証書が授与される。しかし、それまでの道程は決して容易ではない。

通信制高校は、いわば、己との戦いでもある。

週に1度のスクーリング以外は、教科書や参考書が教師の役割を果たす。学習の場となる刑務所内の独居房には当然インターネットなど無い。調べ物をする材料も乏しかった。

しかし、これだけははっきり言えた。


『 一般社会で、通信制高校に通い単位を積み重ねて卒業を目指す若者達 』


と、


『 同じく刑務所内で、通信制高校卒業を目指す私達 』


どちらの方が厳しい環境に置かれているか。


それは、


『 外で学ぶ通信制高校の学生 』


である。


なぜなら、外で学ぶ若者達には自由があるからだ。

自由があれば、そこには必ず誘惑が伴う。誘惑を断ち、テスト勉強に打ち込む若者達。彼らの中には、恋人との交際を控え勉学に打ち込まなければならない時もあるだろう。

また、通信制高校の学生の多数は仕事をしているが、仕事と学校を両立させている若者達が多い。


『 遊びをガマンして教科書を開く 』


これは、並大抵の事では出来ないと思う。


反面、私達は、


『 遊びたくても、遊べない環境 』


にいる。


閉鎖された空間で静かに勉学に打ち込むことが出来る。時間はたっぷりあるし、免業日 ( 土日祝 ) は、1日中、勉強できるのである。


私は思う。


外で頑張って単位を積み重ねる若者達は凄いと…


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