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少年時代 3

悪友が増えていった。

生活はますます荒れていった。

まだ小学4年生である。しかし、小学生といえども、いっぱしのぬワルを気取っている者が当時は結構いたものである。


市内の警察署の常連になった。何かあると、すぐに少年課に連行された。連行されると、カツ丼を出されるとともに刑事の説教が始まる。


「なあ、信義、お前このままだと、えらいことになるぞ」


「お前はまだガキだから補導で済んどるが、中学にあがっても同じこと繰り返してたら、確実に年少(少年院)だべ」


カツ丼を頬張りながら、刑事の説教を受ける。


嫌ではなかった。悪ガキばかり相手にしているベテラン刑事。私の話を真剣に聞いてくれるたったひとりの存在。

私は、不平不満のすべてを、刑事相手にぶちまけた。


今となっては、刑事という職業柄、取り調べついでに話し相手になってになってくれるということが分かる。しかし、小学生の私にとってはそんな事などどうでもよかった。不平不満のすべてをじっと聞いてくれる。ただ、それだけで嬉しかった。


刑事のお陰もあってか、少しずつではあったが、自分を取り戻せていった。真面目に登校し、授業も受けるようになった。


小学5年生になると野球を始めた。同級生から誘われたという単純な理由からだった。高校に上がったら甲子園を目指すとか、将来、プロ野球選手になりたいとか、そういった理由ではなかった。しかし、ただひとつだけ分かっていたことがあった。それは、将来、絶対に警察官にはなれないということだった。

よく補導されていた当時に、1度、刑事に尋ねたことがあった。


「俺、大人になったら、刑事になりたいっす」


「信義、お前なぁ、これだけ警察に補導されといて、警察官になれる訳ねえべ」


小学生ながらに悟った。俺は、刑事にはなれないのか…と。


よくも悪しくも、友達の誘いだけは絶対に断らなかった。たとえ悪友であれ、私にとっては、やっと出来た大切な友達。失いたくはなかった。同級生のお陰で野球を覚え、友達も増えていった。友達の存在というものを肌で感じ始めていた。


野球は私に合っていた。もともと運動は嫌いではなかった。夢中になって白球を追いかけた。しばらく経ってから、レギュラーに抜擢され、セカンドを任された。打順は1番が主だった。

しかし、チームは試合に勝った試しがなかった。当たり前である。練習もせずに遊び回っているメンバー達。缶けりしたり、インベーダーゲームをやりに行ったり。

このチームメイト、中学に上がるや否や、とんでもないワルに変貌する。


私も例外ではなかったが…

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