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猛獣どもの視線
院内での生活は鑑別所のそれと違い、様々なプログラムが組まれ、教育も充実していた。
1週間の考査期間を終えた私は、全ての荷物を毛布に包み、それを抱えて院内での生活の場となる寮へと移動した。
この初等少年院には、第1寮から第4寮まであり、通学やグラウンドでの運動、屋外作業を除いた生活は、すべてこの寮内で送ることになる。
他に、規律違反をしたら収容される、静思寮。
入院後の考査期間中に収容される、考査寮がある。
私は第3寮で生活する事になった。
荷物を抱え院内の通路を寮へと向かう。
緊張感からか喉がカラカラに渇く。これから待ち受ける壮絶なリンチを想像すると、この場から逃走したい気分になった。
通路の先には恐怖の
『第3寮』
の、入り口が見える。
自分の意思とは反対に足が前に進む。
教官が立ち止まり鍵を取り出す。
《 ガチャ 》
鉄扉が開いた瞬間、中にいる猛獣どもの視線が、いっせいに、矢のごとく私めがけて放たれた。