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ある夏の怪談!  作者: あきたけ
第2章『四大心霊ノ巻』
22/42

「ヤナギ」の怪

 

 決戦の場は田舎であった。悟一、麗之助、藤四郎の三人は新幹線で群馬県高崎市まで移動しできた。


 東京からは二時間ほどで到着するのである。


 藤四郎はキネシオロジーを使い、心霊の一人がいる場所を突き止めたのであった。


 場所は藤四郎の親戚の寺だ。本堂に座布団を並べ、三人は作戦を練り始める。


 内陣には輝かしい仏像や曼陀羅の数々と、その真ん中に不動明王が炎を背に立っている。


 藤四郎は内陣に上がり、左右対称の二本あるロウソクに火を付けた。


「この内陣には得度式とくどしきをした人でなければ入れないんですよ」


 藤四郎が言った。

 

「なるほどね」

 と、悟一。

 

「ところで悪霊の件なんだが、やなぎといったな」

 麗之助の言葉に二人が振り向く。


「先ず最初に俺たちと戦う、記念すべき一体目の四大心霊って訳だな」

 ほのかに笑みを浮かべながら悟一は声を発した。

 

「悟一先輩。なぜ奴らが、悪霊の中でも最も恐れられてきたか分かりますか?」


「そりゃあ、強いからだろう?」


「いえ、違います。頭がいいんですよ。まるで肉体を持っていた頃を覚えているかのように」


「親父は肉体を持っていた。普通は肉体が無い分、霊力だけで戦えたけどな」

 麗之助が言う。


「亜死は殿堂入りの強さです。しかし、今度の悪霊はさらに強いですよ。やなぎという女の悪霊は一目見ただけで自分達の想像を絶します」


「一目見ただけで想像を絶する?どういう事だ?」

 悟一が言った。



 コン、コン  コン、コン


 扉を叩く音が聞こえた。本堂の扉だ。

 三人は音のする方向に目を向ける。


 女がいる。

 髪が長く、浴衣を着た霊だ。


「奴か!」

 麗之助が叫ぶ、


「(コン、コン)すみません。私達の噂話をしている人がいるのですが、目障りなので死んでほしいのですが?」


 その瞬間、扉は開け放たれた。


「もう俺たちの事を嗅ぎ付けて来ましたか。おかしいですね、結界はちゃんと張ってあったはずなのに」


 藤四郎は壁に掛けられていた木刀を握り、振り上げた。



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