『心霊バトル!!』の怪 前半戦
「さあ!今回もやってまいりましたぁ!第44回心霊スポット霊力対決!今回の舞台は言わずと知れた心霊の発生源、音無トンネル!数々の手強い悪霊達をどう成仏させてくれるのか!我らがヒーロー徐霊の貴公子!徐霊戦士こと、八雲悟一の登場だぁあ!」
「わー!」
「わー!」
クラスメイト達が心霊スポットに集まり盛り上げてくれる。
第44回ということだが実際にはそんなに多く行われていない。
悟一と麗之助の霊力対決がこれから始まる。
「……悪霊が、人間を殺せると思うなよ。悪霊たちよ……後はどう料理してくれようかだぜ!」
「きゃー!」
「きゃー!」
「八雲さまあ~っ!」
「あーあ。さすが八雲様だぜ。人気を総なめしやがって。霊力なら俺の方が断然強いけどな」
「おっーと!ここで登場したのはなんと!この物語の主人公!悪霊の血を引くこの男!津覇麗之助だぁ!」
「わー!」
「わー!」
「麗之助さま~っ!」
「さて、この度司会を勤めさせていただくのは私、池田吉方と申します。こう見えて私、中学の時は八雲悟一と同じクラスで一緒に悪霊と戦ったこともあるんですよ。それはさておき、ルール説明といきましょう…………より多くの悪霊を成仏させた奴が勝利!無害な霊を消滅させてしまったらその時点で失格!さあ、霊力対決スターートォーッ!!」
二人は闇のトンネルに消えて行った。
開始早々に悟一は悪霊に囲まれていた。
グロテスクな霊や恐ろしい顔、手や眼球など様々な心霊が悟一を襲う。
音無トンネルはそのなも高き呪いのトンネル。
普段はその危険さゆえ、立ち入り禁止なのだが、二人が霊力対決をしたあとだけは怪奇現象がぱったりと無くなると言うことで、市が逆に二人にお礼をするといった具合だ。
「……大丈夫なの?あの人たち。ヤバイい悪霊よ」
「ううっ!なんかここ、気持ちが悪い」
霊感のある女子はそんなことを囁く。
だが悟一は違った。
「エンライトメント!!」
悟一が手を翳すと悪霊はぶっ飛んで行く。
いつも通りシャッターをきる。
この写真が証拠となるため、霊力よりもシャッターをきるタイミングの練習をする二人である。