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箱庭と指し手  作者: 紅葉駿馬
世界講論

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第一話 顔合わせ

廊下を2人の少女が歩いている、静かで人気のない廊下は清掃は行き届いているのにも関わらず何処か埃っぽく思え窓から入り込む朧げな光も手伝い飾られた調度品や床に敷かれたカーペットはどこか古ぼけて見える、そのような状況も相まりその廊下は少し不気味な雰囲気を放っていた、大げさに怖がるほどではないが日が落ちてからの暗い時間帯や一人の時は長居は遠慮したい、そんな場所だ。


『それで教室はこっちであってるんだっけ?』

そう聞いたのは頭頂部からピンと立つ狐耳とよく手入れされた尾を持つ少女だ、尾の中程に紐が巻かれておりその先にあるはずの尾は途切れたようにかき消えている。


『うん、、、あってると思うよ姉さん』

そう答えたのは姉さんと呼ばれた少女と瓜二つだが何処か覇気がなく濁った目をした少女だ、背中からは六本の蜘蛛の足の様な部位が飛び出し胴を抱く様に丸まっている。


二人が喋りながら廊下を進んでいくと目的の部屋が見えてくる。

扉の上のクラスプレートには四階第七教室と書かれていた。


『教室はここであってるよ』


『ここがネルの言ってたいい感じの先生がいる場所?かなりはずれの方にあったけど』


『うん、前に食堂で話をしたんだそしたら話が弾んで自分の授業を取ったら単位をサービスしてくれるって』


『いいね、せっかく大学校に入ったのに単位が足りないなんてごめんだからね、じゃ早速』


扉が開かれるとそこには一人の女性が何やら準備をしていた、扉を開けた少女と同じく狐耳と尾を持ち尾と手を忙しなく動かしている。

女性がこちらに気づくと同時に忙しなく動いていた手と尾を止めこちらを向くとネルに親しげに話しかける。


『おや、ネル君じゃないか一昨日ぶりかな?』


『そうなりますかね、リト先生約束通り来ました』


ネルがそういうとリトと呼ばれた女性は次に扉を開け

た少女に目を向け質問する。


『君は初めましてだったかな?』


『はい、私はネルの姉のネロといいます妹の紹介で来ました』


リトは二人を交互に見比べると笑みを浮かべ挨拶をした。


『それなら改めて私はリトこの大学で教授をやっている、と言っても教授になったのは昔も昔だし今は殆どいるだけだから、とりあえずそこの椅子に座って楽にしてくれ』


『はい、失礼します』『失礼します』


二人がそう言って案内された椅子に座るとネロは早速あたりを見回し始める。

多くの資料や本が保管されている本棚やキャビネットに今座っているこじんまりとした椅子と机、部屋の端に配置されたソファに小物が飾られている窓際のスペースネロはこの部屋を来て早々に中々いい場所だと感じた。

その様子をニコニコと眺めていたリトが話し始める。


『ネル君は知っているだろうけどネロ君のために早速だけどここでする講義の説明をしよう、ここでする講義は政治史なんだこの国のね』


『政治史ですか?』


『そうこの国はというか神聖エトルリア帝国は黎明 期から国教であるエトルリア正教会が多大な影響力を持っていただから純粋な政治史は珍しい、どうしても正教会の影響があるし権力闘争のほとんどはイデオロギーと利害関係、宗教的な教義が入り混じった複雑なものだ別にそれの善悪について語る気はないが神学絡みで識者や資料が多く研究が進んでいる上神聖エトルリア帝国に限って言えば政治史や国家のアイデンティティそのものを内包する宗教史に比べて政治史を学ぶ者が少ないのはその分野を志すものとしては残念ではあるがね』

『ま、細かい話はここまでにしよう大事なのはこの講義を受けることで君たちは単位を得られるし、私はつける必要があるかは疑問だが格好がつく』

『これからよろしく頼むよ二人とも』


『こちらこそよろしくお願いします』


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