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特訓編

「ごちそうさまでした」


お弁当を食べ終わって手を合わせる。

食べる前、麗奈先輩に注意されたが「あと2秒で餓死するんです」と、のたまうと許しが出た。


「ナギっち、特訓しよ。ソファ来て」


私が食べ終わるのを見計らって綾坂が声をかけてくる。


「特訓って何の特訓?」


綾坂に尋ねる。

麗奈先輩と愛花先輩も疑問に思ってるみたい

ちなみに星七先輩は居ない、星七選手の連続出場記録は三日で途絶えた。


「ナギっちが女に慣れる為の特訓、さっきみたいにキスしようとしたりしないから心配しないで」

「ちょっと待った、キスしようとした?聞き捨てならないんだけど」


麗奈先輩の指摘に綾坂は露骨にしまったという顔をしながら弁明する。


「……昼休みにキスしそうになっただけです」

「爆弾発言なんだけど、貴女達『禁忌』を犯してるのかしら?」

「犯してません、未遂です」

「……隠れて付き合ってるとか認めないからね」

「その言葉、そっくりそのままお返ししますヨー」

「……どういう意味かしら?」


綾坂!煽るな!!

確かに麗奈先輩と愛花先輩は怪しいけど、今言える立場じゃないだろ


「じゃあ奈凪ちゃんの特訓は私がしよっかな。さっきキスしそうになった二人で抱き合うのは危ないよ」

「そうね。それが良いわ」

「綾坂ちゃんもそれで良いかな?」

「はい、ナギっちをお願いします」

「うん、任せて。私達が居ない間、麗奈お姉さんと仲良く出来るかな?」

「はい、仲良くします」

「……私にもそれくらい素直になりなさいよ」


愛花先輩が場の空気を変えてくれた

カーテンを開けて一緒にソファに座る

先輩が紅茶を淹れようとしたので、慌てて「自分がやります」と言った。


「そういうのいいよ。ゆる〜くやろ」

「星七先輩はめちゃくちゃ上下関係強要してきますけどね」

「でも奈凪ちゃん達、結構イジってない?この前スカート捲ったんでしょ?」

「あれは綾坂の為です」


カーテンの外から「なんでだよ!」って声が聞こえてきたけど無視した。


「私もイジられたいなークラスでもイジられたりしないんだよね」

「愛花先輩はイジりにくいですよ」

「え、私って怖かったりする?」


愛花先輩が怒ると結構怖いのは知っているが、イジりにくいのはそうじゃない

彼女は日頃から部室の掃除を率先してやってくれるし、たまに勉強だって教えてくれる

それに加えてさっきみたいな気遣いが得意で、居るだけで場の空気が良くなる。

そんな天使のような人をイジることなんてとても出来ない


「そんなことないです。優しいからイジりにくいんですよ」

「……優しくないよ」


本心で答えたのだが、否定されてしまった

謙遜しているようにも見えない


「あ、特訓だからお話ししてるだけじゃ駄目だよね」

「そうですね」

「普通に抱き合うだけじゃいつも通りだから、これやってみよっか?」


愛花先輩は暗くなった表情を切り替えて、自分の膝をぽんぽんと叩いた


「良いんですか?」

「うん、奈凪ちゃんが嫌じゃなきゃ良いよ」

「全然嫌じゃないです」


靴を脱いでからソファに上がって愛花先輩の膝の間に顔を埋める


「……ごめん、そうじゃなくてね。顔じゃなくて頭を乗せて欲しいの」

「あっ、ああーーー!?」


膝枕の方か!愛花先輩が『お嬢様』に膝枕してるの見た時あるのに何やってんだ

女子高生の股の間に顔入れる大セクハラやっちまったよ。

これってタブレット越しに、麗奈先輩と綾坂にも見られてるんだよね?

恥ずかしすぎる!


「すみません!すみません!」


そのままの姿勢で必死に土下座を繰り返す。


「……うん、だからね。それやめてって言ってるの。もしかしてワザとやってるのかな?」


頭の上から愛花先輩のピキってる声が聞こえてきて、ようやく私の土下座が止まる

怖くて顔が上げられなかったが、カーテンが開いた気配がしたので、恐る恐るそっちを見ると能面のような表情をした綾坂が立っていた。


「『お嬢様』が来たから出て」

「うん……」


カーテンから出ると、入れ替わりに綾坂と『お嬢様』が中に入った

自分の席に戻ろうとしたが、愛花先輩に手を掴まれる。


「まだ終わりじゃないよ」

「ソファ使用中なんで特訓する場所ないですよね?」

「特訓は終わり、これからはお仕置き。とっておきの場所知ってるんだ」


愛花先輩は麗奈先輩にアイコンタクトを送ってから、私の手を引いて部室の外に出た。


どうやら私はボランティア部で一番怒らせてはいけない人を怒らせたようだ

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