親友へ贈る白
放課後、部室で詫びベルマークを麗奈先輩に渡そうとしたが、彼女はいなかった。愛花先輩もいない
代わりに星七先輩が居た。
二日連続出現とか激レアなんですけど!
星七先輩にベルマーク渡しても対処してくれなさそうだな……
「あの二人……また揃っていないじゃん、どっかでイチャコラしてんのカナー」
一緒に部室に入った綾坂が嫌味を言う
綾坂……強がってんのかな
「ねー星七先輩、あの二人ってやっぱデキてんですか?」
「私からしたらお前らの方が怪しいと思うけど」
「ないない、綾坂は麗奈先輩のことが好きなんですよ」
「は?なんでそうなる!?」
綾坂が私の入部を嫌がったり、麗奈先輩と愛花先輩がいないと怒ったりするのは、綾坂が麗奈先輩を好きだからだと思ってたが違うの?
「前に麗奈先輩が綾坂のこと顔採用って言ってた時、照れてたじゃん」
「顔褒められば誰が相手でも嬉しいし」
「綾坂が今更、顔褒められて嬉しいの?」
「え、それってどういう……」
綾坂の言葉の途中で部室の扉が開く
先輩たちじゃない、『お嬢様』だ
『お嬢様』は暫く迷った後、星七先輩を指名した。
「おねーさんを選んでくれて嬉しいな。いっぱい愛し合おうね」
星七先輩は脱いでいたブレザーをわざわざ着直してから『お嬢様』と一緒にカーテンの先に消えた。
制服シワになるの文句言ってた癖に着るんだ……
「ねーねー今更、顔褒められて嬉しいのってどうゆー意味?」
綾坂が話を戻してくる
身を乗り出してきてるのがウザい
「……綾坂って中学の時からモテてたじゃん、昔から可愛いって男子とか女子に言われまくってたのに、未だに嬉しいモンなのかって意味」
「んー期待してた答えじゃない」
「……綾坂って小学生の時からモテてたじゃん、昔から可愛いって男子とか女子に言われまくってたのに、未だに嬉しいモンなのかって意味」
「そうじゃネーヨ」
綾坂の機嫌が何故かちょっと悪くなった所で、タブレットのスピーカーから「おねーさんキミの愛で溶けちゃいそうだよぐぎぎぎぎ」と、星七先輩の声が聞こえてきた。
画面を見ると『お嬢様』にめちゃくちゃ抱きしめられている。
「星七先輩、あのキャラじゃなくて素のままで良いのに」
「……ナギっちはそういうことあんま言わない方が良いと思う」
「えっ?」
決して星七先輩を貶したわけではないのだが、綾坂に注意されてしまった。
インフルエンサーとしての戦略に素人が口を挟むべきじゃなかったのかも
……はっ!?もしや綾坂の好きな人って麗奈先輩じゃなくて星七先輩?
ミーハーだし、大人気インフルエンサーに惚れるのも頷ける。
「なに急にニヤニヤしてんノー?」
「思い出し笑いしただけ」
「きっも、あ、てか知ってる?」
「きもくない、なに?」
「あのナギっちを襲った先輩、退学になったらしいよ」
「ホントに!?」
「知らなかったん?」
「うん」
あの金髪ピアスの先輩が退学になった?
流石に罪が重過ぎると思う
麗奈先輩が「こっちでやっておく」と言っていたが、先生に言ったのか?
いや、ボランティア部の裏の活動は先生に明かせないはずだし、私は何も聞かれたりしてない
だとすると麗奈先輩に何かコネクションがあったりする?
……一つだけ心当たりがある
麗奈先輩は生徒会長の姉の知り合いだ
生徒会にどれほど権限があるか分からないけど、心当たりはそれしかない
「先輩が仕事してる間に飲み物でも用意しとけよ。使えないパシリ共だなぁ」
考え込んでいる内に星七先輩が帰ってきた
ぐぎぎ言ってたけど無事だったらしい
「食堂の奥から二番目の自販機の水ですよね?」
「分かってんならはよ行け、5秒で行って帰ってこい」
5秒でミネラルウォーターを買って帰ってくると、部室に綾坂と星七先輩の姿が無い
すわ、またワンオペかと思ったらカーテンの奥から声が聞こえてきた。
「もっと上」
「ここですか?」
「ん、、、そこ」
「気持ちいいですか?」
「そんなの……聞かなくていい」
恐る恐るタブレットの画面を見るとソファの上でうつ伏せになっている星七先輩の上に綾坂が跨って腰を揉んでいた。
ですよねー!
二人がえっちなことしてるとか全然考えてなかったわー
いくら綾坂が星七先輩を好きだからってそんな早く関係進まないよねー
「水買ってきました」
「ありがと、お釣りは二人で分けといて」
ソファの手前にあるテーブルの上にミネラルウォーターを置く
「次、足の裏揉んで」
「え、きったな臭そう」
「汚くないし臭くない、パシリ1号、失礼」
「ナギっち代わってよー」
「パシリ2号は他の係があるからダメ」
他の係ってなんだろ?
今度は私が腰揉むのかな
「パシリ2号は私のスカート抑えてて、お尻とか脚触ったら張っ倒す」
「はぁ!?それって私がぱんつ見るって思ってんの!?」
「パシリ1号はさっき腰揉んでた時、手つきがいやらしかったし、女に抱かれる部活入ってんだからガチだろ?」
「気持ちよがってたじゃん!てかそれ言うなら星七先輩だって女に抱かれる部活入ってんじゃん!!」
「私はガチじゃないから。文句言わずにやれ」
「そもそもJKにマッサージさせて小銭だけって安すぎなんですゲド」
私が星七先輩のスカートを抑えると、綾坂は溜め息を付いてから先輩の足の裏を揉み出した。
綾坂……
失恋したんだね
星七先輩はガチレ……ガチ百合じゃなかった
即ち、同性の綾坂は恋愛対象じゃないってこと
眉間に皺を寄せた綾坂の顔を見ていると居た堪れなくなってきて星七先輩のスカートをぎゅっと握る
綾坂、こんなこと恥ずかしくて面と向かって言えないけど、私は綾坂のことが好きだ。親友だと思ってる
私に出来ることがあれば何でもやってやりたい
だから私は今、親友として、スカート抑える係として精一杯のことをする。
バサッ
「きゃっ!?」
「うっわ、意外と白なんだ」
綾坂先輩のスカートを勢いよく捲ると、先輩は瞬時にスカートを抑えながら起き上がった。
「な、な、な、なにしてんの!?」
「綾坂へプレゼントを贈ったんです」
「……なに言ってんのナギっち」
「なんでなにかをやり遂げた顔してんのよ!パシリ2号やっぱ嫌い!」
星七先輩は遅れてやってきた麗奈先輩と愛花先輩に「パシリ共にセクハラされた」と訴えたが、先輩たちは「日頃からこき使い過ぎ」と取り合わなかった。
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