【短編】最悪だけど最高のタイミングで離縁できそうです
『いつまでもあの人の傍に妻気取りでいるのかしら。本来なら私がその立場だったのよ。だからこれは返してもらうだけ』
醜悪な殺意と敵対心を向けられ、私は夫の幼馴染アンリに嵌められた。
ポツポツと降り出す雨。
途中で馬車の車輪がおかしいと止めたアンリは、護衛騎士と共に馬に乗って去っていった。屋敷に私の味方はなく、護衛騎士すら買収した手腕に脱帽した。
ショックが大きすぎて固まっていると、雄叫びが聞こえてきた。
「ひいい!!」
林から賊たちが飛び出してきたので、御者は歪んだままの車輪で馬車を動かす。当然乗り心地は最悪だ。御者は逃げ切るため速度を上げる。賊の乗る馬が近づいてくる音に、ガタガタと恐怖に震えるしかない。
(領地のために頑張ってきた。旦那様に振り向いてほしくて自分に出来ることをしてきたのに……っ)
ぐらりと馬車が傾き、窓の外を見ると崖から落ち欠けているのが見えた。自分の愚かさに腹が立った。こんなことなら結婚しなければ良かった、と。
(もし時間が巻き戻ったら、絶対に結婚なんかしないわ!)
「クロエ様!!」
私の名前を呼ぶような声が聞こえたのは──きっと幻聴だろう。私のことを思ってくれる人なんて、もうこの世界にはいないもの。
***
「はっ……」
目が醒めると、屋敷のベッドの上に寝かされていた。不意に思い出すのは、賊の襲撃。そしてその賊を仕向けて来たのは十中八九、夫の幼馴染アンリだ。
(まさか時間が巻き戻った?)
「クロエ! 目が覚めたのだな!!」
「旦那様、そのような声をあげては……!」
「す、すまない」
時が戻る──そんなご都合主義な展開はなかった。単に私が助かったのは運が良かったからだろう。最悪だけれど、この状況は神様に感謝すべきだ。そして大事にしてくれたアンリにも、感謝しなければ。もし万が一にも領地内のことだったら、もみ消されてしまっただろう。
けれど事件が起こったのは領地の外で王都傍だったこと、旦那様の後ろにいる王国騎士団と聖騎士様、そしてエルピア商会副会長が揃っているのは、なんと幸運なことだろうか。
領地内、義実家、屋敷内に私の味方はいない。ならば、それ以外を味方に付ければ良いのだ。
(旦那様への未練もない。これで心置きなく離縁できるわ!)
「クロエ、心配したんだ。……君が無事で、本当に良かった」
(今更ね。妻を心配している風な装いをするのかしら……三年も放置していたくせに……)
仕事から帰って来た夫とまともに会話をするのは3年ぶりだろうか。いつもの美しい金髪は乱れて、貴族服もやや乱れているのを見る限り、仕事ではなかったのだろう。
「ジェラール様。それでご用件は?」
「く、クロエ?」
ジェラール様は蒼白し、固まっていた。
「用事がなければ私が熱を出しても、手紙をいくら出しても顔を見せなかったのに、どういう心境ですか?」
「なっ!? 妻が賊に襲われたのだぞ! 心配になって駆けつけるのは当然だろう!」
「ジェラール様の愛人に命を狙われたのですよ。その原因を作ったジェラール様が来たことを喜べと?」
「!?」
浮気と仕事ばかりで、領地運営や屋敷の管理も全部丸投げ。挙げ句の果てに、愛人に殺されかけるなんて、百年の恋だって醒めるわ。
「アンリが? 君を?」
「事実ですわ」
アンリは元子爵令嬢だった。家の資金繰りが悪く、またアンリの男遊びが酷かったせいで、学院時代は何度も他の婚約者を寝取っては婚約破棄や解消をさせていた。彼女曰く「ちょっと相談に乗って貰っていた」という。
そんな問題児の彼女は入学から一年で退学し、強制的に遠方の修道院に入った。アンリを庇っていたせいで、ジェラール様は侯爵家次期当主という立場にもかかわらず、婚約者がなかなか決まらなかった。
そこに選ばれたのが私だった。エルピア商会の運営をしていた両親と侯爵家とは縁があったらしく泣きつかれたとかで、お見合いだけでもと打診がきたのだ。もちろん断るつもりだったのだが、彼の熱烈なアプローチと両親の事故死が重なり、そして王家からの後押しもあって婚約者となり、妻となった。
アンリが退学した年に私が入学したことで、噂は聞いていたけれど、在学中は私を大事にしてくれたし、デートやお茶会にもできるだけ一緒に居る機会を作ってくれた。それが変わったのは結婚式当日だった。
結婚式が終わって屋敷に着くなり、修道院から逃げ出してきたアンリがジェラール様を頼ってきたのだ。本来ならば修道院に追い返すべきだったのに、ジェラール様は彼女を「可哀想だから」と、離れの屋敷に住まわせた。
そこからジェラール様が変わってしまった。「傷心しているから」とアンリを優先してきた。そんなアンリは屋敷の使用人を買収。同時に私への嫌がらせも開始した。「クロエ様が無理やり彼と婚約を望んで、アンリとの恋路を邪魔したの」と吹聴していたのだから、質が悪い。
「……そんな馬鹿な。彼女とは……幼馴染で、それ以上の関係じゃない! 誰よりも愛しているのは君だけだ」
そう言われても信用性はゼロだ。結婚式当日から「幼馴染だ」と紹介され、ことあるごとに「彼女が心配だから」とデートをすっぽかされ「彼女の誕生日なんだ」と高級なドレスを贈り、さらには「幼馴染で祖父から面倒を見るように頼まれているんだ」と言われてしまえば、強く言い返せなかった。
アンリの実家が没落したこともあって、なにかと工面していることも知っていた。代々オールブライト侯爵家を支えていたのが、アンリの実家である元子爵家だった。でも、殺人未遂までされたら──我慢するのも限界だ。
むしろどうして今まで離縁しなかったのだろうと思ってしまう。王家からの後押しもあったことや世間体など色々あったからだとも思う。でもそれがなんだ。
「幼馴染が証言してくださったわ」
「馬鹿な……」
「事実です、侯爵閣下。事件当初、我々王国騎士団は王都周辺を根城にしていた賊の捕縛のために動いておりまして、その時にちょうど現場に居合わせました」
(あらあらそれは素晴らしくタイミングが良かったわね)
王国騎士団副団長はエドガーと名乗ってくださった。真っ黒な短髪に、左目に傷のある騎士様の佇まいは雄々しく、獣のように鋭くジェラール様を睨んでいた。
「私はこの領地にしか生息しない薬草採取の利権を求めて、司教様から派遣された聖騎士アーダルハルトです。馬車が頭上から落ちてくるのを見かけて、ご令嬢と御者を助けたので、御者も証言が取れるでしょう」
(まあ、私の命の恩人なのですね。それに生き証人とは素晴らしい。あとでしっかりお礼を言わなければ!)
聖騎士アーダルハルト様は灰褐色の長い髪を三つ編みにして、騎士副団長のエドガー様と比べて細身で優男という印象を受けるが、そんな方が私と御者を抱えてくれたとは想像以上に膂力があるのだろう。剣よりも筆や本を読んでいる姿がしっくりくる。私を労るように微笑むからそう思ってしまったのかもしれない。
(……お二人ともどこかで……ううん気のせいね)
「それと賊及び幼馴染という令嬢の身柄も拘束しております。捜査もすぐに終わるでしょう」
(完璧だわ。これで証拠を隠蔽阻止できないもの。離縁するだけの理由も十分揃っている)
エルピア商会の副代表であるクラウスは、ある書類を私に差し出した。クラウスとは両親が事故死する前からずっと一緒に仕事をしてきた人だ。無口で無愛想だけれど、誰よりも商会を大事に思っている。緑の髪を黒いリボンで留めて、眼鏡をしている。紳士的な振る舞いをしているが、普段は超ヘタレで泣き虫だったり。そんなギャップが素敵でもあった。
私が一番信頼できる人。
「クロエ様。必要になるかと思い取り寄せておりました」
「クラウス。まあ、さすがね」
そう感心すると彼は少しだけ口角が上がった。「いえ」と素っ気ないが、心なしか嬉しそうだ。羊皮紙を見たのち、さらさらっとサインをする。そしてずっと弁明を続けるジェラール様に差し出した。
「ジェラール様、離縁してください」
「なっ、クロエ。一体何を? 離縁?」
なぜこの人が驚き悲しい顔をするのか理解できない。三年も好き勝手してきたのに今更だ。
「当然でしょう。妻を妻とも扱わない使用人の居る屋敷に、膨らみ続ける借金とそれを補填するための新規事業や領地運営を丸投げしておいて、さらに愛人との不倫。事故死に見せかけた殺人未遂ですよ。そんな領地に留まりたいと本気で思っているのかしら?」
「ちが……っ、それは誤解だ! 私の話を聞いてくれ!」
三年、待ってこれ以上待つつもりも頑張る気もないのだから。
幸いにも王国騎士団副団長エドガー様と聖騎士アーダルハルト様、そして商会のクラウスの圧?によって、その場で離縁にサインをして貰えた。
即時離縁。なんて素晴らしいのかしら。
両親が亡くなった時、男爵家は副会長のクラウスを養子にすることで存続して貰った。だから私は離縁したら平民になって、商会の会長を辞任して従業員として雇って貰うか。慰謝料を元手に新しい事業をするかを検討することにした。
(まあ、しばらくは仕事漬けだったから、王都でのんびり観光して今後のことを考えましょう)
王都に戻って新たな第二の人生を歩もう。その後、王都で王国騎士団副団長エドガー様、聖騎士アーダルハルト様、そして商会のクラウスから猛烈なアタックを受けることになることを、この時の私は微塵も思っていなかった。
**ジェラール侯爵side**
どうしてこうなったのだろう。
私はずっとクロエが好きだった。愛している。ラベンダー色の長い髪、アメジスト色の瞳、白く美しい肌、すらっとした姿は凜として頭も良く気遣いも良く出来る素晴らしい人。
けれど爵位的に、それは難しかった。せめて伯爵ぐらいであれば何とか出来たかもしれない。そんな時、アンリが言ったのだ。「侯爵の評判を一時的に落とす形で、身分の低い令嬢が婚約しても反対しない方法がある」と。
アンリの男遊びに対して侯爵家が擁護してほしいと言うものだった。子爵には恩があったこともあり「幼馴染」という名目で彼女を庇い色々手を回して、半ば強引にクロエを婚約者にすることが出来た。あれはタイミングも良かったのもある。運良く彼女の両親が事故死してくれたのだから。
一時的な信用は落ちたが、それでも二年という時間を掛けてクロエと一緒の時間を過ごすことで払拭した。アンリは修道院に行く際に「え、本気でクロエ様と婚約したの?」と不思議がっていたが、当然だ。私は侯爵家の地位を一時的に落としてでも彼女がほしかったのだから。
だから彼女を妻として迎えた日、ようやく彼女に触れられると思った。これからは彼女の幸せにする。そう誓ったのに、あの悪女は修道院から抜け出してさも当然のように屋敷に居座ったのだ。
しかも彼女との初夜を媚薬を使って邪魔をしてきた。アンリと関係を持ってしまった──らしい。その当たりは記憶が飛んでいて良く覚えていないが、中毒性のある媚薬で、数日おきに飲まないと発作が起こる。
医師に完治するまで三年はかかると言われ、媚薬を飲むフリをしてアンリに従ってきた。クロエに心配を掛けたくなくて、突き放すことになってしまったのは申し訳なかった。けれど聡い彼女ならきっと分かってくれる。
少しだけ寂しい思いをさせてしまうが、その分手紙や贈り物をしよう。そう手配していたのに、屋敷の人間が全てアンリ側に寝返っていたのを知ったのは、クロエと離縁してすぐだった。
彼女への贈り物も、手紙すら届けていないと知った時は気が狂いそうになった。なによりアンリが「多額のお金を払ってくれれば自由になるわ! そしたら私があなたの奥さんになれるの!」などとほざいた。
全てをめちゃくちゃにしたアンリは、修道院にぶち込むだけでは足りなかったのだ。看守を買収して彼女を助け出したあと、王都の中で最も質の悪い娼館に売り飛ばした。屋敷の使用人たちは紹介状無しで追い出し、人員の入れ替えを済ませる。
(全ての雑務を終えて、クロエを迎えに行こう)
そう淡い期待を抱いて王都に向かうも、全ては遅すぎたと、そう身を持って知ることになのだった。
***副会長クラウスside***
王都の地下barの個室にて、いつもの三人が集まった。元々自分が運営している店の一つなので、商談や密談などに利用している。
今回、会うのは同じ孤児院の出身であり兄弟のような関係だ。
「数日ぶりですね、クラウス」
「ええ、アーダルハルト。貴重な薬草の特許申請及び利権承諾の書類はこちらです」
「助かります。これで司祭様たちを説得する材料がまた一つ増えましたから」
「おい、クロエ様を救出する役割は俺が良かったんだが」
不貞腐れているのは黒髪の騎士副団長エドガーだ。すでにエールを一気飲みしていている。
「そう腐らないでくれ、エドガー。君だと浮遊魔法は使えないから、間違いなくクロエ嬢だけを助けていただろう」
「当然だ。自分にとってクロエ様以外どうでも良い」
「「それな」」
クロエ様の父君が運営していた孤児院。そこに引き取られてから俺たち三人は人間らしい生活をさせて貰った。独り立ちできるように、旦那様は色々特免してくださった。
毎日病室に訪れたのはクロエ様だった。俺たち三人は心が壊れて、何も感じず、思わず、ただ生きていただけだった。そこに生きる息吹を吹き込んだのは間違いなく彼女だ。
彼女は俺たちに世界は知らないことばかりで、楽しいこともあると沢山の本や花をベッドにおいて話しかけてくれていた。三人とも呪われていたというのに、平気で手に触れて、あの温かさに何度救われたか。
エドガーは石化による呪いで見捨てられた。
アーダルハルトは魅了の呪いで周囲が殺し合いをして一人ぼっちになった。
俺は毒の呪い持ちで、触れるだけで殺す。
旦那様がそう言った子たちを集めたのは、クロエ様をお守りするためだ。クロエ様が僅か10歳にして【解呪の書】を解読できたことで、王家と教会には知らせず俺たちの呪いが解けたあと、書物を全て処分し、俺たちも一度死んだことにされた。
そののち、新たな名前と身分を用意してもらい、旦那様はいざという時に「クロエを守ってほしい」と頼んできた。俺たち三人は言うまでもなく頷いた。例え俺たち三人だけを引き取ったのは、クロエ様の力を試すためだったとしても関係ない。
人間として生きる術を、人生をやり直す機会をくださったのだから。
「このせかいは、とてもしびあだから、ゆめがあってかなえるためにいっぱいどりょくするの。そしたらみんなわらってはっぴーでしょう。ねえ、ハル、ロウ、ディー」
もうあの時の名前を知っている人間は、この世にいない。クロエ様も【解呪の書】の内容や記憶ごと旦那様が消し去ったのだから。
でも俺たちは覚えている。
いつでも一生懸命なクロエ様を見てきたから、貴女様が幸せになる道に繋がるように見守ってきた。
「その結果が、あのクソ野郎との縁談なんてぁ~~~~。大事にしてくれると思ったのにぃ~~~~やっぱりあの時にもっと上手く立ち回っていればぁあああ~~~~」
「クラウス、酒飲んだのか」
「いえ、素面のようですよ」
「マジか」
「マジです」
葡萄ジュースを一気飲みして、机に突っ伏した。クロエ様が俺に男爵家を継いでほしいと望まれたので叶えて差し上げたかったし、婚約や結婚を出来るのなら阻止したかった。しかし当時の俺は侯爵と王家に立ち向かえるだけの人脈も、財力も、なにもかも足りなかったのだ。だから守り切れなかった。
「今度は、今度こそ……諦めないで良いのなら、クロエ様をお嫁さんにしたい……」
「そうだな。平民になったクロエ様なら」
「私にもチャンスが出てきたようです」
「……え、二人は俺の恋の応援をしてくれないのですか?」
「「は」」
俺の言葉に部屋の空気が一気に下がった。それは今まで定期的にクロエ様の幸せを願って結成された同盟に亀裂が入る。
「いやいや。今回のケースでよく分かったんだ。クロエ様を幸せにするのは自分だ。騎士団だし収入も地位もそれなりだからな!」
「あははは。面白いことを言いますね、エドガー。私は聖騎士ですが今回の一件も含めて、教会から籍を抜いて冒険者に戻るつもりです。これで結婚も出来ますし、クロエ嬢の護衛を申し出るつもりです。元夫が良からぬことを考えているでしょうし」
「はぁ!? 聞いてないぞ!」
「今言いましたから」
「ふざけるな」
エドガーとアーダルハルトが言い合っているが、彼女は未だ商会の人間で会長なので一番接点が近いのは俺だ。この優位性を駆使して、クロエ様の隣を勝ち取る。
素早くどう動くかの演算及びシミュレーションを開始。
「(少なくともこの二人よりは勝算はあるはず……)では今後は各々クロエ様に対してアプローチを開始することで良いのですね」
「もちろん」
「ええ」
「ではこれ以降はクロエ様を見守り助ける同盟ではなく、ライバルとなります。ただ今後、クロエ様に対して俺たち以外の害虫が湧くのを防ぐためにも、定期連絡と情報共有するのはいかがでしょうか?」
エドガーとアーダルハルトは快諾。俺としても三人が完全な敵同士になるのは、状況的に良くない。なによりお人好しのクロエ様を守るためにも、最低限の協力は必須。
「それならいっそ一戸建ての家を買って四人で住めば良いのではないか?」
「「それだ」」
エドガーの発言に素晴らしいと拍手を送った。
「男除けも出来ますし、一緒に居る機会も増えますね」
「一軒家なら不動産関係でいくつか物件を持っている。クロエ様には元夫から守るため的なことをいえば同居に持ち込めるでしょう」
俺たちは顔を見合わせ、各々の飲み物を掲げて再び乾杯をする。
誰が彼女の心を射止めるか、それを知るのはクロエ様だけ──。
楽しんでいただけたのなら幸いです。
下記にある【☆☆☆☆☆】の評価・ブクマもありがとうございます。
感想・レビューも励みになります。ありがとうございます(ノ*>∀<)ノ♡
お読みいただきありがとうございます⸜(●˙꒳˙●)⸝!
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勢いで書いてしまったので(゜▽゜*)
本当は3000文字ぐらいで元夫目線だけの予定が
続きの希望があったら頑張りたい……。( ´艸`)
新作
【短編】婚約解消を望もうとも、婚約者から言葉を聞かない限りは応じませんわ
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