第3話 もし壁の街がなくなってしまったとしてもこの大きな壁は残るでしょう。
もし壁の街がなくなってしまったとしてもこの大きな壁は残るでしょう。
きっと永遠に。なんのためにここに壁があるのか。それを知っている人が誰もいなくなったとしても、壁はここにあり続けるのです。
そこにはとっても大きな大きな壁があった。何百年とこの壁の街をずっと守ってきた(そして、これからもきっと何百年も壁の街を守ってくれる)とても古い石の壁だった。
黄緑色の草原の中にある土色の道の上を歩いていくと、だんだんと大きな壁が見えてきた。大地の上に線を引くようにして壁は建てられていた。この壁を越えることなく壁の街に入ることは鳥のように空を飛ばないかぎりはできない。壁の街は小さな海に突き出した半島のような形の土地にあったからだ。(その出入り口になる、半島の付け根の大地の上に緩やかにうねりながら、壁は海から反対側の海までずっと隙間なく建てられていた)
大きな壁は近づけば近づくほどどんどん大きくなって、ぼくとファニーファニーは壁の前にたどり着いたころには、思わず大きな壁を見上げながら、驚きで大きくぽかんと口を開けてしまった。
壁の街の壁は世界で一番大きくてどんな大勢の軍隊が攻めてきても、壁の街に入ることはできないだろう。という有名な言葉を聞いたことはあったのだけど、こんなにも大きな壁だとは思っていなかった。(しかも壁は三重になって作られているらしい。この大きな壁の向こうにはあと二つの壁があるのだ。すごい)
壁の街で暮らしているエリンはなんだかぼくとファニーファニーが大きな壁を見てびっくりしたことが嬉しいみたいだった。
「ようこそ。壁の街へ」
とにっこりと笑って、青色の空のしたで、大きな壁の前で、大きく手を広げながらぼくとファニーファニーを歓迎してくれるようにしながら、楽しそうな子供っぽい声で、エリンは言った。




