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31 これは反射です

《これまでのあらすじ》

黎凰の死を乗り越え、アイラたちは賢者の塔のダンジョンに挑み続けている。

下層階ではヒュドラやミミックと戦い、仲間の絆も深まった。

野営の夜、アイラは夢で師匠との裏切りを思い出し、守る決意を新たにする。


数ヶ月の訓練を経て、仲間の装備は強化され、ついに中階層へ進む。

霧に包まれた崖を越え、より強力な魔物と貴重な素材が待つ場所へと向かう彼ら。


「これからが本番だ」と覚悟し、アイラの後を追う仲間たちだった。

「彦には、下の層で刈ってくれた金属製ゴーレムで作った《ゴーレムクラッシャー》と、《ゴーレムスキンアーマー》があるんだけどね」


アイラが説明してる横で――


ビュンッ!!


真横を、ジェットスピードでサンダーバードが襲ってきた。


「っとと!?」


レオニダスが反射的に斬りかかるが、バチン!と雷撃を受けて痺れる。


「ぐっ……!おま……雷は反則だろ!」


「……そうそう。金属ゴーレム素材って、雷にちょっと弱いのよね」


アイラがあっさり言い放つ。


「え、もっと早く言って!」


「ほらほら、お互い雷属性なんだから、ここは水でしょ?」


アイラは片手をかざし、水柱を一気に発生させてサンダーバードを叩き落とす。


続けてギャランも、

「アクアバースト!」

左手から水の弾を撃ち、追撃。


サンダーバードは勢いよく霧散する。


「それも悪くないけど、できれば綺麗に素材回収したかったんだけどなー」


アイラがちょっと惜しそうにため息。


「いやいや……ここ、オレが心配するところじゃない??」

レオは叫んだ。


「……説明中に攻撃されるから、仕方ないでしょ?」


「死ぬかと思ったわ!」


 


そんな小競り合いを見ながら、残りの三人はにやにや。


「やれやれ、また始まった」

彦が微笑む。


「どっちも素直じゃないんですから」

織が小声で言って、笑う。


「ちがうから! 絶対違うから!!」


レオの真っ赤な叫びが、また空に響いた。


こんな小競り合いは、いつもの仲良し風景

残り3人はにやにやしている


「とはいえ、サンダーバードみたいな属性を持った鳥は上からなので大変ですね」

彦が空を見上げる

「ここからは、サンダーバードとか風属性のグリフォンね。水だとウォータースピリット、幻惑系ね。あとはシードラゴンとか」

「山ですよね?」

織が、恐る恐る聞く

「でも、湖とか普通にあるし、海ないのに海辺にいくこともあるし、なんでもありなのよね。」


あ、、そうそう。アイラが笑顔で


「山はよく崩れるから注意ね」

ニコッと微笑んでる瞬間、おい!落石!!


アイラを思わず抱きしめてレオニダスは遠くへ飛ぶ

今いた場所は木っ端微塵に砕ける


「みんな!みんな無事か??」

「うー!レオ兄!」


泥まみれのギャランと、織を守る彦が岩の中から出てきた。


「いたい!なにすんの」


「いや、思わず、、、」

「思わず??」


「いや、アイラはオレより強かったの忘れてました」

レオは真っ赤になる。

「嘘だよ、ありがと」

アイラはクスッと笑った。 


「おーおーおー!!」


まずギャランがニヤニヤしながら手を叩く。


「今の、完全にフラグですよね、織さん!」


「はい、見ました。しっかり。ばっちり」

織も満面の笑みでコクリ。


「これはもう……フラグですねぇ」

彦も腕組みしながら、真顔でうんうん頷いてる。


「違うから!!」

レオは即座に真っ赤になって跳ね起きる。


「べ、べつに! アイラが弱いとかそういうんじゃなくて! とにかく反射で!!」


「反射で抱きしめるんだ……ふーん……」

ギャランがまるで汚いものを見るかのように煽る。


「あらあら、素直じゃないこと」

織がため息


「夜、反動で誰かを、抱きしめるかもしれませんね、あ、わたしを抱きしめるのは勘弁」

彦の追い打ち。


「やめろぉぉぉぉぉ!!」


レオニダスは頭抱えて絶叫。


アイラはそんなレオの姿を見ながら、こっそり口元をゆるませた。


(ほんとは、このぐらい自分で回避できたけど、悪くない)


そして。


笑い声が残る中、再び一行は中階層への霧の道へ向かって歩き出した。

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