第一話
エピローグ
「お前は人を不幸にする、死神だ!!」
「お前なんか生きてる価値ない、出ていけ!!」
「お前はうちの子じゃない!!」
「もう人と関わらないで、お願いだから・・・。」
「この、死神が!!」
「死ねばいいのに」
第一話
僕は、嫌いだ。僕をいじめてくるやつも、たった一人の息子を捨てた親も、周りを不幸にする自分自身も、何もかも。
「もう、いいのかな?僕が死ねば皆幸せになるのかな?僕も楽になれるのかな。」
そっと包丁を手に持ち、首元に近づける。自分の心臓の音が直で伝わる。
「あぁぁぁぁぁ!!!なんで、なんで、僕は死ぬことすら出来ないんだ!!死ぬ勇気すらないのか??」
ポロポロと涙が止まらない。なんで生まれてきてしまったのか。色々な事を考えてしまう。未だ手に包丁を持ったまま僕はそこに小一時間座り込んでいた。
トントントントン
誰かの足音が聞こえる
「なんだァ?お前。こんな所で何してんだ?辛気臭え顔しやがって」
「・・・・・・。」
「おい、なんか答えろよ。って包丁持ってるじゃねえか!何やってんだお前!」
「うるさいです」
「なんて?」
「だから、うるさいって言ってるんです!!もういいからほっといてください!!!」
「ほっとけるかよ、そんな状態のやつ!死のうとしてるんだかなんだか知らねえけど、とりあえずこっちこい」
腕がぐっと掴まれる
「やめて!!触らないで!」
「失礼なやつだな、こいつは。」
抵抗しても、もの凄い力で握ってきて離してくれない。
「そんな細い腕で抵抗しても無駄だから、ささっとつ付いて来い。あと、その包丁早く捨てろ!」
もう抵抗する気力も無くなってしまった。疲れた。
「あ・・・。」
手から包丁がこぼれ落ちた。
「よし、捨てたな。落ち着いたか??」
「っ……、ぅ……っ!!!ぅわぁぁああ!!!!」
また涙が溢れ出て止まらない、恥だ。
「おいおい、情緒不安定じゃねえか!」
「ぼっ....くっ....はぁ!!!」ぐすっ
「無理して喋らなくていいって、待っといてやるから!!」
僕は何してるのだろう?
「おい」
「おーい」
「寝ちまったのかよ」
ここはどここだ?
「あ、起きたか」
ばっと飛び起きた
「あ、あの、ここは・・・???」
「俺ん家だよ、急にお前が泣き出して寝ちまったんだよ。おかけで俺の服が鼻水だらけだよ!」
「な、なんで、、、??」
「起きて早々なんでってなんだよ??」
「なんで、僕を助けたんですか。どういうつもりで」
「意味も無く助けちゃ悪いかよ」
「い、いえそういう訳では・・・。」
「ならいいだろ」
妙に調子が狂う
「助けてくださり、ありがとうございました。さようなら。これ以上僕に関わらないでください」
「なんだ、それは無いだろ。名前すら聞いてないぞ」
「僕と深く関わればあなたは死にます」
本当はお礼もきちんとしたいけど、そんなことしたら駄目なんだ、この人と深く関わる訳にはいかない!
「はぁ?なんじゃそら!?」
「その通りの意味です。では、さよなら・・・」
「おい待てよ。意味分かんねぇ!」
「じゃあ、意味言ったら帰っていいですか・・・?」
「それは俺次第だ」
「はぁ・・・。話すと長いですよ」
「分かった、それでも聞く」