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第1章
・・・
どこかで、
僕を呼ぶ声が聞こえる。
なんだか
近くて
でも
遠い場所から、
僕を呼ぶ声が聞こえる。
あぁ、
そうか、
終わったのか。
僕は
帰って
来られたんだ。
「大丈夫ですよ、意識はありますから、呼んであげてください」
誰だか分からない声がそう言って、また僕の名前が呼ばれた。僕の名前を呼んでいるのは僕が知っている声だ。少しだけ目を開けて、また閉じる。すると僕が知っている声は喜ぶ。でも目を閉じるとまた心配そうに名前を呼ぶ。
もう、大丈夫なのに。
ちょっとだけ力を入れて僕はもう一度目を開き、
「だいじょう、、、ぶ、だけ、ど、ま、だちょっ、とねむい」
と囁くくらいの声で言う。僕の知っている声は少し笑って、
「うん、分かった」
と嬉そうに言う。よかった、これで放っておいてもらえる。眠くて、眠くてしょうがないんだ。
安心した僕の意識は、愛する人達がいる世界を再び離れ、眠りの中へ少しずつ溶け込んでいく。甘くて温かい温度が僕を包み込む。意識が途切れる間際、僕は、「おやすみ」と口にし、そして胸の奥の方から幸せが、体中に広がっていくのを感じながら、再び眠りについた。




