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引きニート転生化計画

謎の空間

 地球上に生きる生物は長い年月をかけて形質を、さらにはその特性をも変化させている。過去から受け継がれた遺伝的情報は現代の世界に跋扈し、今に生きるすべての情報は未来に引き継がれる。地球いや宇宙を俯瞰した世界、もしアカシックレコードがあるのであれば歴史がどう変化するのか、その中で自分という存在がどういう運命を辿るのかということが分かるとされている。では仮に、アカシックレコードを見て自分の生涯を知ることで未来が変わることはあるのだろうか。それはほぼあり得ない。なぜならば、「アカシックレコードを見る」ということ自体が記載されているから。頓智かもしれないが、アカシックレコードを見ることで人生を変えようと奮闘するというような内容で未来が描かれるのだ。すべての生物は運命から逃れることはできず、全激動の歴史のモブの一人に過ぎないのである。だから、確実に未来に発生するであろう自覚のないイベントを気にすることなく未来へと情報を伝搬し今日という日を過ごしている。それは人間社会で議論する我々も包含されるわけである。

 人間社会、それは独特な言語で意思疎通を図り地球という惑星を人間の生きやすい構造に変化させた人間ご都合主義社会である。生きやすい構造にするために人間は労働をし対価として金を得る。金があればあるほど人間社会での生活を満足に過ごすことができ、その金を手に入れるためにも人間は齷齪と労働をする。効率よく金を手に入れるために年収の高い会社に入社して働きたいと考える人間も多いが、その労働に従事できるのは選ばれた人間だけである。このように地球上に生きとし生きる人間には労働で得られる金の量の違いがあって金銭的格差が生まれ、保有する金の量が少ない者は世の中の非情を謳い暴動を起こす者も現れるのだ。しかし、その金を得る手段である労働に問題があるケースがある。多く言われているのは長時間働かせて得られる対価が少ないというもの。それに加え会社の上司からの陰湿な嫌がらせや理不尽な責任の押し付けなどがあり、鬱に落ちてまともに働くことができなくなってしまう人間は一定数いる。労働にはそのイメージを持つ人間も多く、「仕事が好きだ!」と胸を張って言える人は少ないのではないか。むしろ”働かない”で両親の脛をかじって好きなことに没頭する人もいるようだ。両親からのあたりがきつく、部屋に引きこもって働かないという選択をしている人は俗に「引きニート」と呼ばれる。


「人間社会をより良いものにするためにもこういった『引きニート』を更生した方が良いと考え、ここに1つ案を出したい。」

 暗くした部屋の壁に投影機がプレゼン資料を映し出す。固唾を飲んで見守るオーディエンスをプレゼンターは気にすることなく小さく息を吸って続けた。


「引きニート転生化計画だ。」

次回、主人公登場!

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