94.調査隊(22) 調査隊B班
「リーダー、A班のやつら帰っちゃいましたね」
「ああ、もう必要ないからな」
「俺達どうしたら良いですかねぇ?」
「そうだな、事実は知ることが出来た。遺跡調査の重要性も低くなった。このまま解散じゃないか?」
「それ、なんか惨めですね。俺達」
「ああ、だが事実を知ったら何をしたらよいかわかったろ、精霊・妖精を守る事だな」
「じゃあフェアリアの街でも行きます?」
「いい考えだな、衛兵として雇ってくれたら役に立つかな」
「移住しましょう、街には入れなくても外には人が住んでいるらしいですよ」
「いっそのこと、この調査機関を『精霊・妖精の友好機関』にしちゃいません?」
「なるほどな、基金を有効に友好に使おう。」
よしっ、静まり返った会議場で声を張り上げる
『みんなー、聞いてくれー、
俺達は事実を知ったー
この調査機関は役目を終えたとも言える。
だがしかしー。
俺達がしなければいけない事実が判明したとも言えるー
俺達は、この基金を使って、精霊・妖精たちを守る組織に進化すべきだとは思わないか?
』
「「「「「「おーーー」」」」」
「そうだな」
「そうすべきだ」
「いい考えだ」
皆失業したくないだけだな。
ーーーーー
そして、遺跡調査機関は、『精霊・妖精友好の架け橋』という組織に進化していった。
ーーーーー
「俺達、これでA班ですかね」
「いや、A班は不在にしよう」
「なぜ?」
「謎を残しておくんだよ。何か謎があれば、『どうして』と人は考える様になる。そうすれば目的を忘れないだろう。」
「なるほど」
「奴らが言っていたじゃないか、『遺跡という謎は無駄ではなかった。調査も無駄ではなかった』と」
「俺達永遠のB班ですね」
「そもそもA班とかB班とかは順位じゃなくて、役割分担だからな
先発隊と調査班、解析班って事だ」
「ところで何したらいいんですかね」
「フェアリーランドでも作るか、人と妖精の共存を謳った友好の街を」




