89.調査隊(17) 調査隊B班視点
「おいっ、 なんで俺等こんな事してんだろうなぁ?」
思わず嘆いてしまう。なんか損な役回りの様な気がする。
もちろん遺跡島の遺跡調査だが、鳥の糞まみれである。遺跡自体の材質は腐食などしないので原型を留めているが、その上に鳥の糞が積もっている。取り除かないと遺跡が見られない。何日もかかった。毎日嘔吐しっぱなしでやつれてきた。体力も限界だ。
「A班とC班は良いよな。」
「そうだな」
それでも仕事だ、苦悩の日々を過ごし調査を終え本部に戻る。
「あなた達、臭いわよっ、暫く来ないで」
出禁を食らった。
家に帰ると。
「暫く帰ってこないで」
と言われた。悲しい。
通常状態に戻るのに更に一週間ほどかかった。
俺達何か悪い事した?
ーーーーー
次はアッソー山だと。
暑い。結界の中は特に熱が籠もって最悪だ。
汗だくだ。
汗臭くなった、次第に浮浪者の匂いになっていく。
また暫く出禁かぁ。今回は遠いから帰るまでにましになるかな。
帰ったらB班専用の風呂を要求しよう。
「いつになったら帰れるのかなぁ」
汗とため息しか出ない。
神に見離されているとしか思えない日々だ。
遺跡調査隊B班の出身だと言ったら将来尊敬してもらえるだろうか。是非そうなって欲しい。
いつかこの苦労が報われる日が来るだろうか。
いやいや、きっとA班とC班が手柄を持ってくだろう。所詮使いっ走りのB班と言われそうだ。
これで大爆発でも起きたら、目も当てられない。危険手当欲しいよな。
B班全員ため息を付きながら、黙々と調査作業を続けるのであった。




