80.調査隊(8) ホックリ王国(3) トーヤマンの街
妖精の里を出て、翡翠の採れる河口を超え、トーヤマン街にたどり着いた。
街で聞き込みをした結果、トーヤマン湾から突き出たノオト半島のナナオン湾との中央にある『ナナオン島』という島に遺跡があるそうだ。
ここでも上空から見たほうが良さそうだったので、ドラファに頼む。空中戦艦でも良いんだけど。ドラファに頼みたい。
案の定、島を中心に同心円状に等間隔に建造物の跡が見られた。よく見ると半島とナナオン湾はその同心円に沿っている。ここでも地形を変えてしまうほどの大惨事があったのかな。隕石の落下ぐらいのやつが。
遺跡の痕跡と言ってもほとんど原型をとどめていないので調査は難しそうだな。こうやって上空から眺めないと全容がわからないだろう。上空から分かることはこのぐらいかな。
さて、ここはホックリ王国でも大きい街なので、博物館的なものがないかと探してみた。
なんと意外にも文化的な街で、美術館・博物館があった。残念な国だと思ったけどそうでもないのかな。見栄っぱりなだけかもしれないけど。うちにはこんな立派な施設があるんだよ、えっへんって感じかな。それで精霊たちにも嫌われていのかな。
入館料は5000ゼニ、高い。見栄を張るのも金がかかるんだね。
常設展は色々出土品とかが並べられている。解説はいい加減みたいだけど。
しばらく展示品を見て歩いていると、
あっ!これはなんか呪い玉に似ている。
どれどれ、説明には。
『ナナオン島出土品、太古の遊び道具と思われる。槌の様なもので突いて........』
ゲートボールかい!
これは恐らく呪い玉だ、機能はしていないみたいだけど。
まあ機能していたらこんな所に置いておけないよね。
いちど呪い屋本舗に解析を依頼しようか。そうだこの街にも呪い屋本舗の支店があったんだった。展示品なので借りられるかわからないけど、全国的な調査なので許可が出るよね。調査本部経由で依頼してもらおう。
呪い屋本舗の従業員もこんなに高額な入場料を払って見に来ないよね。給料よくないし。幹部は良いけど。
そうだ、俺幹部なのにお金もらって無いよね、最近出勤してないし。忘れられてないかな、クビになってないよね。商業ギルドの口座を確認しにいかなくっちゃ。でも調査隊の給料も一応もらっているんだよね、ほとんど土産物代で飛んでくけど。




