8.森を抜ける(6)
ようやく森を抜けました
深い森もほぼ抜けたようで、草原と丘、遠くに山々の景色となっている。
街につながると思われる街道も見える
おっと、ここでもう一つテンプレ事案が
(きゃぁ~)
悲鳴が聞こえる。きっと令嬢救出テンプレだな
街道で馬車が盗賊に襲われている様だ
話がややこしくなりそうだから、とりあえずポーケ以外は部屋に入ってくれ
まあ助けられるだろうけど、どうやって問題を大きくせずに上手く助けるかが問題だ。
あっ! そうも言っていられない。護衛がやられそうだ。
しかし護衛3人でよく10人ぐらいの盗賊に対応できているなあ、きっと優秀な護衛だ
とにかく助けよう、そしてやりすぎちゃったら後でなんとか誤魔化そう
「パラライズ!」 って出来るかな。ぶっつけ本番
稲妻が走り、盗賊たちに落ちた
ドゴーン
ちょっと強すぎるんじゃぁ、これ「ライトニング」だよねぇ
ーー強さが違うだけです。力入れすぎです
あっちょっと護衛の人にもあたっちゃった、テヘペロ
盗賊たちはかろうじて死んでいないみたい。気を使って損した
加減が課題だな
「ご助力痛み入る」 、誤爆した護衛たちの顔が引きつってる、痛そうだね
「どういたしまして、それでこいつらはどうする?」
「ああ、縄で縛って引きずって街まで行くから大丈夫だ」
市中引き回しの刑じゃなくて、市中まで引き回しの刑ね
馬車の中から、10代半ばぐらいの少女が身を乗り出し
「助けていただいてありがとうございます、この様な場所で襲われて援軍も期待できず
もうだめだと思っていました」
元の世界にはコミックとコスプレーヤーにしか登場しない
肩までまっすぐ伸びた深い紺色の髪、色白で堀の深い均整の取れた顔立ち
うん、テンプレ美女姫様だ、
ーー普通です!
あっ、なんか今のはきっと夜の女神様の吹き替えだ。夜の女神様何気に超美神なのに、嫉妬もなさる
ナビくんの一部は夜の女神の吹き替え疑惑発覚
良かったぁ、ドリルヘアーだったら笑ってしまいそうだった
街に戻る途中だったようで、街まで同乗させてもらえることになった。
盗賊を引きずりながら。。。
いや10人も引きずれなかったので、リーダー格の者以外は足の腱を切って木に縛り付けて
後から回収するそうだ
森の仲間も増えて賑やかになり、テンプレ盛り盛りの洗礼を受けて
ようやく森も抜けて街に向かう事となった