77.調査隊(5) 第1回報告会
さて、3つの精霊の里を訪れて、ある程度の収穫はあったと思う。
そこで一つ問題が、
調査隊のBとC班を精霊の里に行かせるわけにはいかない。そんな事をすれば怒りを買い自然の調和が崩され大変なことになる。そこで以前にマイワールドに移住して精霊不在となった『元森の精霊の里』を調査対象にしてもらう事で納得してもらおう。
ついでに精霊の里では女神教を布教しておいた。もちろん賛同はしてくれたが、教会は不要との事、そうだよね。必要ないとは思ったけど精霊石のお返しとして女神像を置いてきた。
そろそろ一度本部に帰還して報告をしよう。
帰りはなんちゃって転移でぱっと帰る。楽だ。
今回の調査をまとめてみる。速報としては本部に連絡が行っているけど、きっちり報告会は行う。
今回の調査で精霊の話抜きには報告できないので嘘は報告しない代わりに、間違っても精霊の里に行くような真似はしない事を関係者に周知してもらう。当然関係者以外への箝口令も。
もし、この約束を違えば、我が最強のパーティー『女神教』が討伐すると明言した。もちろん宗教女神教自体も敵対勢力とみなし対応するのは当然だ。たとえ国家が相手でもだ。一切容赦はしないとも。
当然、討伐費用は里のある当事国が持つ事とする。それが嫌なら自国の精霊の里は守ってやれ。
イラワンデ共和国の一件を知っている皆は震え上がった。
もちろん、『あれよりもかなり酷くする』と付け足した。
ひょっとして異世界侵略より怖いかもしれない。と皆が恐怖した事は気づかないふりをした。
とりあえず、事実の報告と、推測・憶測・可能性を示すことにする。
事実としては
・今回訪問した精霊の里全てに遺跡の痕跡があった。
機能していると思われるものは無かった。
・遺跡には、結界石のようなものと、その台座があり、そこに文字の様な物が描かれていた。
全文が復元できたので提供する。調査隊C班に解析をお願いしたい。
推測・憶測・可能性について
・精霊の里に遺跡がある件について
サンマル遺跡にはなかったが、知りうる他の4個所の里にはあった。これは偶然ではないだろう。
その一つ『森の精霊の里』には、一部機能しているものがあった。凶悪な呪い玉だ。
もうこの里に精霊は住んでいないので調査が可能だ、調査隊B班に調査をお願いしたい。
根拠はないが可能性として考えられる内容として。
可能性1
無関係
可能性2
精霊の好む環境がある。例えば施設が龍脈の上にあるとか。龍脈のエネルギーを使うとか?
可能性3
精霊こそが太古の侵略者だった説。
可能性4
人類こそが太古の侵略者だった説。
・呪い玉に関して
現在、一件のみであるが、何かが変化して出来たみたいだ。
変化した原因として考えられるのは、
可能性1
施設実験の失敗。
可能性2
施設の副産物・廃棄物。
可能性3
経時変化。
可能性4
変化したわけではなく其の物として存在。防犯設備?
・その他
上記可能性の一つ龍脈に関しては調査隊C班に調査して欲しい。もし龍脈が関係していそうなら
その場合、サンマル遺跡の龍脈に変化があるかもしれない。調査結果によっては建設計画を見直さなければならない可能性がある。
とにかく考えられる考察を提示した。
もちろんこれ以外にも可能性はあると思うが、これ以上思い浮かばなかった。
以上で報告は完了した。
とりあえず、調査隊B班、C班のやる事は決まった。A班は次はホックリ王国を南下してサンインカ王国に向かう事にした。仮説に関しては本部で検証をしていく事で方針は決まり第一回の報告会は終了した。
ホックリ王国は、自国に精霊の里が複数あるから精霊に愛されているんだと威張っていたが、本当は嫌われているんだよなあ教えてあげようかな。それは報告しなくていいよね。
おさらい。
ホックリ王国は、日本で言う北陸地方と東北地方の西側、アウル帝国は北関東から東北地方の東側に位置します。ノルワルティー王国は関東地方。ドラゴンの里は岐阜から長野、ハンナリー公国は京都あたり、イラワンデ共和国は関西地方あたり、サンインカ王国は山陰地方、サンヨーカ王国は山陽地方。
エゾー大陸は北海道。
魔王国は四国。
クマモ王国は九州。
に相当します。
地球サイズの惑星に、ほぼ現世界の日本を大きくした形で、北海道の旭川に北極点、九州が赤道直下、沖縄の那覇が南極に位置すると想像して下さい。
物語には出てきませんが惑星の裏側にはエゾー大陸ぐらいのチャイ大陸があります。その間にサドー大陸があります。
ネーミングセンスは壊滅的なのでご了承下さい。




