72.国際会議
なんとか各国の参加にこぎつけた。主にアウル皇帝の力だけど。
帝国内での惨事がきっかけなので仕方ないようだ。 ありがとう。
俺は発起人として会議に参加している。
行ったことのある国以外も多く緊張した。
予想はしていたがやはり、各国は自国の利益の事ばかりで話は一向に進まない。当然だ。
更に5000年も経っていて調査が可能かどうかも怪しい。敵も見えない。
アウル皇帝が、国益とは何か問う。
共通の敵=侵略者である
侵略のコストを掛けている、それ以上に略奪が必要になる。
抵抗する力がなければ、おそらく一方的に略奪される。
それは、当然国益を損なう。個人的に潤うことはあるかもしれないが。
もし、侵略者が来なかったら
防衛コストが無駄になる。
しかし、今現在、各国と他の国の関係を考えてみれば、他の国対する防御力強化は必須となっている。
同じく、共通の敵に対する軍隊を持つのを否定すると、各国の保有する軍隊を否定する事になる。
これには各国頷くしかない。
そこで、歩み寄る第一歩として、調査機関を設立する事になった。
・調査結果は各国共有される。
ただし、結果が証明されている場合のみ。不確実な部分は継続調査中とし報告の延期は認める。
・調査コストには基金を設ける。金額は年間予算総額を会議で決め、各国人口比で割り振る
予算は繰越可能として次期予算と調整する。(国家予算とは異なり無理には使わない)
対策など一度に拠出すると無理があるので、繰越部分はプールして対策等に備える。
・調査対象国には滞在場所の提供と滞在費用の拠出が求められる。
・調査に関しての拒否権は各国とも持たない。
・調査の実施計画は調査機関の判断に委ねる。
・調査以外の対策費等が生じた場合は基本は当事国負担であるが、一国で対応できない場合は基金から
補助される。ただし対策は調査機関の範疇を超えるため予算内及びプール資金で賄える範囲とする。
・調査本部は、アウル帝国の学園都市に置く。場所と管理費はアウル帝国負担。
以上の決議が行われ、しぶしぶながらも全国家賛同に至った。
俺は、これまでの実績及び多数国の推薦により、調査機関のリーダーに抜擢された。
責任は重大であるが、どのみち乗りかかった船だ。やるしか無い。
調査予算総額は10億ゼニ。多いか少ないかよくわからない。
学園都市にある屋敷を帝国が借り上げた。もともとサンマル遺跡大爆発で被害にあって住居者が居なくなった貴族の屋敷だ。遺族も殆どおらず使用目的にも納得されている。使用人はほぼそのまま雇用となった。
失業しなくて良かったね。
調査機関の組織編成を考えなくてはならない。
トップに俺、異世界調査本部長。
そして、とりあえず具体的な対策があるわけではないので異世界侵略対策本部長を兼任だ。
そしてその下に、各国からの調査本部員、今回は10カ国10名。その下に事務員各3名。
それと同列に、調査隊3部隊、その下に専属調査員各10名
本部長ーーー調査本部員10名__事務員各3名
L_調査隊A__調査員10名迄(リーダーは本部長兼任)
L_調査隊B__調査員10名迄(リーダー含む)
L_調査隊C__調査員10名迄(リーダー含む)
総勢69名
調査本部員は、各国への調査に関する日程などの調整及び物資の手配、連絡及び事務処理を行う。
調査隊がその国に出向いている場合はそのフォローを行う。本部員の居ない国家などに出向く場合は近隣国の本部員が同様の対応をする。
調査隊Aは、我が女神教パーティーが就任
調査隊Bは、冒険者ギルドからリーダー選出、メンバーはリーダーが決める
調査隊Cは、魔法学院からリーダー選出、メンバーはリーダーが決める
調査域はメンバー出身地に関係なく、都度適した隊を向ける。
調査隊Aは、ロイ、アイス、マオ、ドラファ、ライディ、アリー
従魔として(キング、フェン、シー、フクちゃん)
調査隊Bは、遺跡解析室の副室長が冒険者だったためそのまま就任、メンバー4名調査隊から選抜。
5名は冒険者から選抜。
調査隊Cは、魔法学院の副校長。メンバーは助教授、研究員から選抜。
ラーシィは領地で子育てに専念。お留守番です。ポーケはラーシィの護衛。
ラリーは予定通り次元シールド研究所の所長。
主に調査隊Aが先発隊、その後調査隊Bが探索、調査隊Cが探索結果の解析。といった役割である。




