71.目覚め(4) その後(2)
少し落ち着いた。
何より大切なことは済ませたので、
いや、済んでない。家族との絆だ。
家庭サービスの日々を過ごした。
何より欠けていたもの『家族の団欒』である。
主には俺が現状を受け入れる事だったけど。
そして忘れてはいけないこと、ラーシィとアイスとの合同結婚式だ。
ウルス領と帝都の2箇所で行った、なんちゃって転移が出来るからこそだ。
色々な人を紹介してもらったが、はっきり言って覚えられない。ゴメン。
アイスの兄弟姉妹は皆、美男美女、お約束である。末っ子という事もあり皆に可愛がられていた。
ノルワルティ国王は嫌々婚姻承諾して参加、承諾しなくては帝国と戦争になる、更に帝国に関わる多くの有力貴族の集まる結婚式に参加せざるを得ないだけだ。
アウル皇帝は、アイスに「でかした」と褒め称えた。
しかしいつまでもこうしている訳にはいかない。
次に必要なこと、それは『恐れるものに対する知識』だ、知らなければ無駄な対策に力を入れてしまうことになる。今ある、ネットワークを駆使して対策を練る必要がある。この10年間ほとんど何も進展していなかった、悲しみに暮れていただけだったらしい、そのままではいけない。5000年に対して10年は誤差内とも言えるが、異世界からの襲撃が過去にあったので次が無いとは言えない。
・世界会議を開催し、協力関係を作る
共通の敵があれば、人は纏まれる。
今のところ、
ノルワルティー王国、魔王国、ドラゴンの里、イラワンデ共和国、アウル帝国、ハンナリー公国
女神教信者。聖教会
は協賛してもらえそうだが、協調性は?である
・調査隊を結成する
各地の遺跡の調査などをして、敵を知る手がかりを得る
これは、我々女神教パーティがやろうと思う。学園都市にも協力してもらおう。
とりあえず、
・ホックリ王国、南の国々(クマモ王国、ナハー王国etc)、最北の大陸エゾー大陸の調査
・5000年前に何が起きどうなったか
・遺跡大爆発の謎、爆発することで新たな引き金を引いてしまわなかったか。
がキーワードだ
・次元バリアーの開発
ラリーを中心に敵の脅威から守る力を構築する。
遺跡として意味の無くなったサンマル遺跡の跡地に建設予定。とりあえず皇帝からは了承を得ている。
・戦力の増強
個人レベルでの戦力は充分だ、国家レベルでの戦力補強をする必要がある。
ただし、後の戦乱の種にならないか不安。
国連軍案を考えたが、国連が機能しないのは明白。皆の意見・利害が一致するわけ無いからね。
守ることに専念するなら独裁軍事国家でも作った方が建設的だ。
今個人でそれに匹敵していることは気づかないふりをする。
こんなところだろう。まだほとんど構想段階だけど。
まずは、アウル帝国主催で国際会議をするところからかな。
危機感の薄れてきた今となって、動いてくれるかなあ。
いや、むしろ落ち着いて対応できるようになったと考えよう。俺のようにパニックになってはいけない。




