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呪い屋本舗  作者: ぽしょなれ


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37/95

37.女神教の教会

女神教の教義の教育が始まる


ーーーーーーーーーー

女神教とは何か

それは、自分に都合の良いご利益を乞うのではなく


1.女神の存在を信じること。

2.女神に感謝し尊敬して、讃える事。


既に与えられた恩恵に対して、そして与え続けられるものに対して感謝する事が基本となる。

故に、既存の宗教とは対象が異なるもので、相反するものでもない。

従って、他宗教に入信していても問題ありません。


例えば、皆さんは今、呼吸をしていますよね、そして息を止めたら死んでしまいますよね。

それは、なにもないような空気に生きていくのに必要なものがあるからです。

息を吸って、必要なものを取り込んで、そして残りと不要なったものを吐き出す。

空気の中にあるその生きていくのに必要な物は、無限にあるかの様に見えますが、そうではありません。

植物がその不要なものを太陽の光の力で、また元の必要なものに変換することで循環しているから無くならないのです。

これは一例ですが、

その様な自然の流れというものはとても不安定なもので放置したら大変なことになってしまいます。これら安定させるための管理を司っているのが、女神様達なのです。

つまり我々は、女神達によって生かされているのです。今既にご利益は与えられているのです。

だから私達は、女神様たちに感謝し讃えるべきなのです。


都合の良いご利益のためではないと言いましたが

実は、たった一つご利益と呼ばれるものが確実に与えられます。

それは、『お祈りをしている間は、体の周りが快適な温度に保たれる』というものです。

もちろんお祈りをしている間だけで女神像の見える範囲限定なので、1日中というのは無理だと思いますし空腹が紛れるわけでもないのですが、お祈りをしている間は快適に過ごしてほしいという女神たちのはからいです。


大きなご利益ではありませんが、不確かなご利益ではなく、確実に得られるご利益なのです。

赤道直下や寒冷地帯、夏季冬季などにはとてもありがたいご利益です。


ーーーーーーーーーー

そう、この女神像のご利益機能だけど、呪いで付与しようとしたらナビくん経由で女神様から待ったがかかった。

『それは女神の仕事よ』

と言って仕事を取られた。

女神製なので、拝めばちょっぴりいいことがあるかもしれない。


恐らくこれは監視機能付きに違いない、像を盗難したやつはきっとひどい目に合うだろう。


ただ、それだけだと不便なので、お手軽な木製の女神像を作って持ち運べるようにして、魔力を消費するけど祈っている間は周囲が快適な温度に包まれる魔道具を作った。

これを何処の教会でも安価に入手できるようにするのが大変だった。数が足らないと高額に転売されてしまうので、大量に作るのが大変面倒だった。祈らないとご利益がないので、転売=布教となって良いけどね。

ご利益が微妙にありがたいので、作った数だけ布教が出来るかも。

頑張ろう。

ーーーーーーーーーー


「女神様には会えないのですか?」

神官候補から質問が出る。

「天啓を受ける方はおられますが、実際に会われた方は居ないようです。

 死後の世界では会うことが出来るかもしれません」

「それでは証明出来ませんよね」

「あなたは国王に会われたことがありますか?」

「あるわけがない」

「似たようなものです。あなたや私の階位が上がればお会い出来るでしょう」


俺も死んだあとに一度会っただけだけとね


ーーーーーーーーーー


教会としての収入は、主に寄付金である。一応貴族や有力者の信者には毎年寄付金をお願いしている。

あとは、前述のお手軽女神像の販売収入と、教会の運営する食堂、食料品販売等だ。

支出は、併設の孤児院と教会建物の維持管理費、教会関係者の人件費となる。

神官長は本部の雇用となるが、その他運営は独立採算制となる。これは、人里離れた人口の少ない所でも維持できるようにするためだ、その場合は神官長のみの教会となる場合もある。

大きな街ほど規模が大きくなるためうまく運営しないと採算は取れなくなりそうだ。

慈善事業として税の軽減、補助金の申請も必要だ。明朗会計が必要だ。

本部への上納金は基本的に無しにしたい、逆に支援をしていく事が必要だ。

現在はポケットマネーで運用しているが、いずれ独立採算にしてもらわないといけない。

運営が厳しいところは何か対策を考えてあげよう。


ウルス領では、

領内の慈善事業や教会の建物の維持管理費に使用する分の収入に対しては経費と認め、無税とする。

もちろん寄付する人の寄付金に対する税金は無税。

寄付金は毎年1000万ゼニを寄付してもらう。

本部の建物は俺が建設した。創造魔法でちゃちゃっとね。

お祈り女神像や教会グッズの支部協会への卸販売も大切な収入源。


ノルワルティ王国の他領では、

ウルス領とほぼ同様。ただし、寄付金に関しては、領の規模に応じた最低金額を設定した。

教会支部は伯爵領以上には希望に応じて、俺が建設。


魔王国では、

今まで、宗教はなかったので、国教として採用。

部族単位の本部は国営。支部に関しては独立採算制。教会の運営費に使用する収入は無税。寄付金も無税。

王都本部は、同じく俺が魔王城の隣に建設した。


イラワンデ共和国、

税金は無税。寄付金は今回ちょっと絞りすぎたので、来年からにしてあげた。

首都教会本部は、同じく俺が建設。



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