36.アウル帝国へ行こう
国王経由でアウル帝国へ正式訪問の手続きを取ってもらった。
「訪問期間は長くてもいいんだぞ、何十年行っていても良い」
もう居て欲しいくない感を隠そうともとしなかったらしい。
こちらとしては異例の速さで許可申請が出て良かった。
ただ、国王よ、我々はいつでも帰ってこられるのだよ。という事は黙っておく。
正式メンバーは
護衛は両軍から4名、ラーシィの従者が3人、渉外担当が1名。
そして冒険者パーティー女神教の、人間3人、従魔5匹。
もちろんマイワールド屋敷には、数名の従者がスタンバイしている。
主人用馬車1台と従者用馬車2台と護衛騎馬4頭。規模としては小さいが、移動速度、防御力は全く問題ないというか過剰戦力のキャラバンである。
基本的に旅の工程管理などは、護衛と渉外担当者が行い。
戦闘時には総員で対応する。
渉外担当者はサンボといい、ウルス伯爵家から俺専任の従者として与えられた者だ。彼は従者であって、従魔ではでは無いのでティムはしていないが、代々ウルス家に仕える家系の忠実な人の様だ。
ティムは本当は動物用だけどね。なぜか使えてしまう特異体質?。
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一方その頃、魔術師ギルドでは。
どうも王女様が、冒険者パーティー女神教の事で悩んでおられるようだ。
というギルド長の話から、王女崇拝派の幹部たちが所謂『忖度』を働かせた。
冒険者パーティーは、アウル帝国へのウルス領家の訪問に同行するようだ。国外移動で体力をそがれ、戦力も落ちているはずだ。護衛も少ない。我々で始末してしまおう。
ギルドの暗部に司令を出した。
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魔術師ギルドの始末屋のゴロッキーは、ギルド幹部からの司令を受け、
「バカか、体力をそがれるのは我々もだっ、全く自分以外の事を考えられない奴らだなぁもー。
それに奴らの戦力を見誤っている。おそらく我々に対処しきれる輩ではなかろう。」
「でも、仕事かぁ。仕方ないなぁ。こちらは使者のみで、戦力は現地調達が良いだろう。
お金は出るよねぇ。えっ? 100万ゼニって?
無理でしょう。そんな端金じゃ一人も雇えない。
全く、金も人も出さず口だけ出すやつらめ。最低限その100倍必要って言っといて。」
「まあ、それでも無理だろうねぇ。転職を考えておかなくっちゃあ
それとも、返り討ちにあって死亡したことにして、国外逃亡しようかなぁ
むしろ正直にターゲット側に申し出た方が優しく扱ってくれそうだ
『魔術師ギルドからこんな指示が出ています。私は貴方がたに敵意はありません。助けて下さい。』
って言えば、いい就職先紹介してもらえそう」
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そんな色々な思惑が交錯する中、我々はアウル帝国への出立の準備を進めた。
従者のサンボは、参謀でもある




