31.魔王&勇者視点
ーーーーー 魔王視点 ーーーーー
ノルワルティ王国からの挑発を受けて、イラワンデ共和国の転移門を利用してノルワルティ王国へ進軍した
何でも最強の勇者軍を設立したようだ。
攻め込まれる前に打って出る。側近たちは開戦に満場一致で賛同した。
はじめは上手くいっていた。『勇者の呪い』の呪具を使って勇者軍をほぼ全滅させたのだ。
勇者を一人取り逃がしたようだが、すぐに呪いで死ぬであろうと、楽観していた。
ところが、勇者は復活して数人の仲間を連れてきた。
そして敵の斥候がやってきた。凶悪な小鳥だ
斥候の行き来だけで、なんと、我々はほぼ全滅してしまった。信じられないが現実だ。
更に、私はティムされ『マオ』という安直な名をつけられ、その者たちの手下にされてしまった。
勇者軍に負けたわけではないので彼らの手下になったのは良かったのかもしれない。
王国の支配となれば、搾取されるだけの存在になってしまう。
彼らの仲間に収まったのは不幸中の幸いだともいえる。
女神教の布教を認めさせられたが大きな問題ではない。
魔王としての力不足を感じて主に力を貸してほしいと願って身を捧げようとしたが、なんの対価もなく
邪竜という新たな力の象徴を与えてくれた。
これで魔王国としての礎は盤石だ。
主には感謝だ。
主に後ろ盾など必要ないように思うが、力でねじ伏せるのは嫌いなようで、魔王国を後ろ盾としての立場
とする事を望まれた。
もちろん、了承した。
ーーーーー 勇者視点 ーーーーー
地球の日本という国で災害にあって死んだ。
気がつくと目の前に『昼の女神』様がいて戦闘能力を与えられ、テンプレ転生を果たした。
百人規模の勇者召喚で、かなり高い確率で当選したらしい。
中には知り合いも居たが、皆のノリについていけず、割と一人外れで過ごしていた。
レベル上げの日々が続き、1人前になったと思ったら、魔王軍進軍の知らせが来た。
あるものは高揚し、あるものは塞ぎ込んだが強制参加となった。
俺はいつもどおり端のほうに居たため魔王軍の放った『勇者の呪い』の効きが弱かったせいか即死は免れたが、刻々と死へと向かっていた。なんとかウルス領までたどり着き、『呪い屋本舗』の看板を見てドアを叩いたところで力尽き意識を失った。
気がつくと、新たに『ライディ』と名付けられ『女神教』という冒険者パーティーの仲間にされていた。
再度転生したようなものだと受け入れた。
主はロイという、女神教のリーダーだ。本人も見かけによらず強そうだが。彼の従魔の強さは底が知れない。
主の婚約者ラーシィの護衛を頼まれた。待遇もよく不満は無い。
主は魔王を倒し、ドラゴンの里との友誼を結び、イラワンデ共和国に処刑されつつ逆転劇を成した。
かなりのやり手だ。主として申し分ない。
ところで『ライディ』って、『ライディ◯ン』から来ているんじゃないよね、彼も転生者だろうか?




