21.ノルワルティー王国 ( 国王視点 )
私はノルワルティー王国の国王、絶対的権力を持った国の王のはずだ
ところがどうだ、なぜか最近良くないことが続いている。国力強化のため、我国王サイアの率いる宮廷魔術師、王女ワルダの率いる魔術師ギルドを総動員して大規模勇者召喚を行った。王国トップ肝いりの国家プロジェクトであった。
大量の資金と、大量の魔石、大量の人員を投入しての一大プロジェクトだ。
そのおかげで百名ほどの勇者召喚は成功した。そこまでは良かったのだ。
勇者のレベル上げも順調で王国最大の戦力となったはずだった。
そんな折、いきなり魔王国からの軍隊が攻めてきた、実績を作れると勇者軍を向かわせたのだが、なんとあっさり全滅してしまったのだ。
こんなことはあってはならないことだ、レベル上げに問題があったとして、勇者軍全滅を隠蔽して関係者に責任を取らせ左遷しまくった。
なんでこんな事になってしまったのか、全く忌々しい
更に忌まわしいことに、その魔王軍を、単独冒険者パーティが撃退したというのだ。
『女神教』というパーティらしい、教会関係者なのだろうか
しばらくすると、その冒険者パーティーが、『ドラゴンの里』という、この大陸でも最強の勢力と友誼を結んで『ドラゴン封呪の龍玉』なるものを授かっと言い、呪い屋本舗という商人を通じて売り込んできた。
現在国力を疑問視されかねない状況では、国力の象徴としては申し分のないものなのでで買わざるを得ない。1億ゼニだとぉ高い、でも、勇者軍プロジェクトの費用に比べたら誤差みたいなものだ、損失予算に組み込んでおくか。
しかも後でこっそり聞いた話によると、魔王国も管理下に置いたらしい。そのパーティの後ろ盾がウルス伯爵領ということではないか、結果としていち領主が王国の全力よりも上になってしまっている。我の立場がない。更に魔王国にパーティー名と同じ『女神教』という新しい宗教まで設立したらしい。このままでは大陸最大で、国教でもある聖教会も危うくなるのではないだろうか。
彼らはイラワンデ共和国に向かっているらしい。
後ろ盾が大きすぎて表立って動くのはまずい、イラワンデ共和国の国教も聖教会だ、巻き込んで始末を依頼しようか。




