19.旅路
さて、イラワンデ共和国への旅出は決まったが、移動手段とかとうしよう
ーーあなたは世界と繋がっているため、何処にでも出現が可能です。
移動という感覚ではなく「任意の場所に出現」ですね
同行者がいれば、一旦マイワールドに入ってもらい、出現先で出てもらえば移動完了です。
はい、とんでもないチートですね。軍隊も低コストで大量移動可能だ。 やらないけど
ここは順当に旅を楽しみながら移動することにしよう。
そう言えば自分用にマイワールド作っていなかったなぁ
「マイワールド000 クリエイト! 名称は『工房』」
ーーマイワールド、『工房』を構築しました。
鍛冶場、と寝室、作業場、書斎、居間、キッチン、風呂場、トイレ、倉庫を設置しました。
泊まり込み作業前提の居住空間完備だね。結構広いのでパーティハウスにしよう。
宿のない時には野営は嫌なのでここで寝泊まりしようかな、不寝番も要らないし。
ダミー用のテント買っておこう。食事も不要だけど楽しみたいし、キャンプ道具と食材買っておこう
従魔たちは元々野宿だっただろうし問題ないよね。
あっ、資金がなかった。いや、あった、呪い玉売ったお金があったんだった。
呪い屋本舗に頼んで、イラワンデ共和国までの出張扱いにしてもらった。
当然、道中での呪い集めをする前提でだけど、片道一ヶ月ぐらいはかかるかな。
イラワンデ支店へは連絡してもらった。連絡は専用魔道具で出来るみたい。
離れた距離で反応し合う『対石』というものがあり、電報みたいにして情報を交換するらしい。
高価なものになると、タイプライター式で文字列を入力して、自動的に
モールス信号に置き換えて送信、受信側では自動的にモールス信号を文字に変換して表示板に文字を
映し出すものもあるらしい。ハイテクだ
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長い旅になるが、便利機能で頻繁に戻るということでラーシィには納得してもらった。
いつでも何処にでも移動できるというのは少し問題があるので(アリバイが成り立たなくなる?)
公には『大きな魔力を消費して、1日に一度だけ転移魔法が使える』ということにした。
一週間に一度は戻ってこよう。
準備を終え、出立の挨拶を終え、隣町への乗り合い馬車に乗った。乗客は数人、八割ほどの乗車率
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ドラファにはドラゴンアーマー姿の人型になってもらい、護衛と二人旅である。
そういえばドラファとは余り話をしていなかったなあ
「ドラゴンの里って何処にあるの?」
〈大陸の中央辺りよ〉
日本で言う中央アルプスあたりか
「途中で寄っていくか?」
〈戻りたくはないけど、できれば長と話をつけておきたい〉
「わかった、じゃあ最初の目的地はドラゴンの里だな」
ちなみに会話は皆には聞こえないというか理解できない、ドラゴン語だし。
途中2つほど町を通ると西端の街に着く、その後は流石に長距離馬車は月に一本ぐらいしか無いので待ちが長く実質的に利用できないので、後は徒歩となる。
あとは商隊に便乗させてもらうか、ドラファのドラゴン便という手もあるが、どちらにしてもかなり高価になる、今回は旅の過程が必要だ、移動だけが目的じゃない。
移動だけならあっという間だしね。
暫く走行していると、それはやってきた、テンプレの盗賊の出現だ、乗合馬車を狙うなんて命知らずの
盗賊たちだ、乗合馬車御者が只者であるはずがない。護衛が必要ないほどに強いはずだ。
あっ、御者がグルっていうテンプレじゃないよね。 あー良かった違うみたい、
御者が馬車を止めると、巨大な鎌を取り出し盗賊たちに向かって疾走して一閃!、
スプラッターホラーだった
なんでも、元A級冒険者らしい。現役を引退したものはこういった職業とかギルド職員とかに再就職するらしい。
死体を放置しておくと街道に肉食獣が集まるため、面倒ではあるが死体の処理が必要になるが、御者はマジックバッグにぽいぽいっと放り込んでいく。手慣れた作業のようだ。 強盗ホイホイだね
このあたりの乗り合い馬車では野営はない。飼葉や水を大量に搭載するわけにはいかないからだ。
街の間隔も馬が1日以内で移動出来る距離になっているか、簡易宿場町の様なところが中継基地として
存在する。ただし、国の外れにくるとその限りではないので、国超えは結構大変だ。
まあ我々は関係ないけどね。
と、考えているうちに隣町に着いた。ここらあたりから隣国への商隊が増え始め街も賑わう。小さい街ながら維持できているのは、商隊の中継地として、また商品の最終仕入れ地として経済が活発になるからだ。
この街を中心に開拓村とかが広がり、主に食料の調達先となっている、鉱山も近くにあるそうだ。
また、鍛冶関係の輸出品のがあるため鍛冶工房も複数あり、商工業都市として発展している。
ここがノルワルティ王国の西端都市、エルスの街である。
ちなみに東端にはオルス、北端はイルス、南端は海に面したアルスの街がある。
この街から2方向に街道が分岐する、商隊などは南回りが都合が良く此処から南下していく。我々はこの街から、更に西に向かう街道で山間部を抜けて、更にドラゴンの里へと行けそうだ、
甲州街道と東海道みたいな感じだ。
そろそろ人の名前とか、国や街の名前とか、覚えていられなくなった。
ちゃんとした人物リストやマップを作らないといけないのかなあ




