17.呪い集めの旅へ
魔族来襲イベントも終了して、魔王が戦後処理を終えてやってきた。
ウルス領としては被害はほぼないので、戦後処理対応は討伐実績のあるパーティ女神教に一任された。
『こちらの戦後処理の目処が立った、もちろん被害の多かった部族からの不満は多かったが、
これ以上被害を拡大しないためにも納得してもらった、滅ぶか、従うかだ』
「わかった」
『ただ、4将軍だけは最後まで納得できず、今回理解してもらうために同行している』
「面倒だが、必要なことなら仕方ないな。力で示せと言うなら容赦しないぞ、まとめてかかってこい!」
『すまんがそれで頼む』
『我らが魔族軍四天王! いざまいらんー』
「ティム!」「ティム!」「ティム!」「ティム!」
「能力強化2倍程度でいい、名前は『モブイチ』『モブニ』『モブサン』『モブシ』」
『なにぃ!』『やめてんか!』『あほな!』『そんなばかな!』
『本当に容赦のない名付けだ、だから詳しく説明したろう、まったく。こういう方なのだ』
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「それで、今回の侵攻は、イラワンデ共和国の転移門を使ったというんだな」
イラワンデ共和国は大陸の関西地区に相当する場所にある。なんか役所の腐敗がはびこんでいそうだな
呪い屋本舗の支店もあるはずなので、情報収集してみよう。
「こちらとしては、再度侵攻して来ない限り特に要求することは無い。ただ、我ら冒険者パーティー
女神教の後ろ盾になってほしい。それと、女神教の布教にも協力してほしい」
『『いわれるがままに』』
「大きな都市には教会を建て、主に慈善事業を頼みたい。今回の戦争では孤児も発生しているだろう」
『魔族では力が全てで、力で成り上がれるシステムはあるが、セーフティーネットを充実させましょう』
「俺が採取した金で、俺に縁のある女神像を作った、これを教会で祀ると良い。
教祖はここにいるラーシィだ、具体的な進め方は担当窓口を決めて決めていこう。
基本的な教義は
あらゆる事象にそれぞれを司る女神が存在する。
自分の都合の良い神だけを讃えるのではなく、全ての女神を崇め祀ろう。
だ。」
夜の女神様しか会ったこと無いので、像はこれだけなんだよね。また、他の女神に会うことがあれば
追加していこう。隠れてこそこそ作っておいてよかった。
『かしこまりました』
マオには一度帰ってもらった。まだまだ戦後処理が残っているらしい。
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さて、今回出てきた、イラワンデ共和国はちょっと要注意だな。
教会設立チーム(ラーシィ、フェン、シー、ライディ)と
イラワンデ共和国調査チーム(俺、キング、ドラファ、ポーケ)に分かれて行動しよう。
呪い屋本舗で聞いてみたけど、怪しい噂、不穏な動きが多すぎて一言でまとめられない様だ。
呪い集めの旅と合わせて現地調査に行こうかな。
伯爵にはこれまでの経緯を報告して、イラワンデ共和国に赴くことにした。
教会に関しては、とりあえず他国での布教の話なので、本部の設立だけの了承を得た。
ラーシィが関わることを渋るかと思ったけど、宗教は支配階級の道具という扱いなので勉強になると
了承された。
よく考えたら魔王国って後ろ盾じゃなくて俺が支配者ってことだよね。
ーー称号魔王を得ました
俺、討伐されないかなあ




