15.魔王軍との戦い
魔王軍がやってくる。大変だ。
元勇者ライディとともに領主館に急ぐ、
伯爵は、既にある程度状況を把握している様で、応戦準備に奔走していた。
街の城壁では長くは耐えられなさそうだ、幸い勇者軍と戦った直後で敵も体制を整える必要があり
少し時間の余裕が出来た。
このまま滅ぼされたらラーシィ嬢との婚約も危うい。全力で対処しよう。
「領主様、俺のパーティで先陣をきります。全力で進軍を阻止してみせます。」
「お互い後が無いからな、なんとか生き延びてくれ」
「パーティ『女神教』アッセンブル! 魔王軍に立ち向かうぞ!」
「「「我らパーティ『女神教』初仕事だ!
新しい仲間も増え 我々は最強だ! 恐れることは何もなーい!」」」
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そもそも魔王軍がなぜこんな大陸奥部まで進軍してきたのかはひとまずおいといて
今、我らパーティ 八人の前に魔王軍約10万が迫っている。
幸い進軍の道はそれほど広くないので縦に長く連なっている。
「キング、様子を偵察してこい」
〈りょうかい〉
どどどーどードーン
「「「「「「ぎゃぁー、わぁー」」」」」
爆音の後に悲鳴が続く
「あっ魔王軍、キングの衝撃波でほぼ殲滅っぽい」
〈みてきたよー、いっぱいいたけど、かえりはなにもいなくなってた〉
「えーと、キング、よくやった。終わりだ。帰るぞ。」
「「「「「え゛ー」」」」」
「ワレラハ メガミキョウ ウルス ヲ マオウグンカラ マモリキッタ ゾー イェイ」
「さあ、皆も女神を讃え、凱旋しよう! 教祖である聖母ラーシィと共に!」
あっ、魔王らしいやつが向かってくる。無事だったのか
『おのれ、凶悪な魔物共、我が魔王軍は不滅だ、この私が居る限りなっ』
「うるさい! ティム!」
ーー魔王をティムしました
『えっ?』
「名前は『マオ』くん」
ベタな名前にしてやった
「どうしてこんな所まで進軍してきた?」
『転移門を設置して大量に軍隊を送れば、一気に攻め込めると思ったのだ。勇者軍も数の暴力には
耐えられなかったのに、なんだその凶悪な鳥は?』
「こいつは我らがパーティ女神教のマスコットのキング、お前ももう仲間だから大丈夫だっ、
とりあえず敗残兵を連れて帰れ! 落ち着いたら改めて出頭しろ、追って沙汰を下す。」
俺って殆どティムしか使っていないなぁ。ティマー最強?
こうして魔王軍の進行を難なく退け、街に平和をもたらした。
我らがパーティ女神教の活躍は街中に轟き、近隣国まで広まった。
勇者と魔王軍は全滅したことになり、ライディとマオはパーティの一員となった。
結果として、パーティの後ろ盾に、ウルス領と魔王軍が付く形になった。
王都の勇者軍関係者は立場を失い、その多くが左遷された。




