10.ウルスの街 領主館にて
ようやく呪いが出てきました。
街に入るには実に簡単だった。
領主と同伴なので専用出入り口から顔パス状態。
俺はその恩人っ事で簡単なステータス確認のみだった。
ギルド登録も保証人になってくれるみたい、悪徳領主じゃなくてよかった。
ノルワルティ王国自体は大陸のほぼ中央。関東域ぐらい。で地球規模でいうとオーストラリアの広さぐらい
王都からウルス領までは馬車で一週間ぐらい。
魔族は四国にあたる大陸に拠点を構えている。『神聖魔王国』というらしい、魔族なのに神聖なのか?
詳しく聞くと、昔は『邪神魔王国』と『神聖魔王国』の2国あり、戦争の結果『神聖魔王国』が勝ち
残ったのだとか。まあ、「邪」とか「聖」とかは絶対的なものではなく、勝ち残ったものが名乗る類の
ものだが。
そうこうしているうちに領主館に着いてしまった。馬車を降りると客間に通された。建物は非常に大きく
迎賓館赤坂離宮みたいだ。 ・・・早く元主神に会ってみたいものだ。
どうも領主の健康状態があまり良くないらしく、領主の部屋に赴き軽く挨拶だけすることになった。
ラーシィ嬢とメイドと共に執務室へと入る。貴族らしい挨拶はわからないので、できるだけ丁寧に
話そう。
「おお、よく娘を助けてくれた、礼をいう。賊も捕らえられたらしいな」
「いえ、たまたま通りかかったもので、御礼の言葉など恐悦至極」
「無理にかしこまって話さなくとも良い」
「ははー」
変な会話になっている。これは無理だ、地で行こう
「ところで、ラーシィは一人娘でなあ、お前、領主をやらんか?」
「え゛ーえぇー、何を仰るうさぎさん」
ドドーンと衝撃が走り、体が硬直した。
ーー精神耐性が崩壊寸前で受け止めました。
えっ! なになに
ーー伯爵の言葉は絶対実現の呪いの言葉です。
つまりぃ?
ーー言の葉の呪いです。強力な呪いです。
どうしよう?
「この力をお前にやろう」
どどーん。
ーー耐性を超え言葉通りに、言の葉の呪いの力を得ました。
大変!
思った通りになるって最強なようで実は最悪。冗談も言えない下手に話せなくなる。
ーー伯爵の健康状態の悪化はこの言の葉の呪いの扱いに注意を払い続ける心労から来ていた模様
解呪! 解呪!
ーー解呪されました。
言の葉の呪いの力は自体にも効くのね。
「どうやら呪いは移譲されたようだが、君には効かなかった様だね」
「って、何するんですかぁー」
「すまんすまん、ちょっと便利だが困った呪いにかかってな、ちょうどお前が来たので。。。」
「やめていたたげけますか、ほんとびっくりしましたよ、ほんとにもう」
ーーちなみに主神は言の葉の呪いの上位互換(on/off機能付き)をお持ちですので大丈夫です。
自分が怖い、そうか今まで言った通りになっていたなぁ。ナビくんon/off管理しといてね
ーー了解しました。
本当はこのエピソードのみの短編予定でしたが、複数ページ書かないと投稿システム体験が難しいと思い、少しだけ話しを膨らませてみました。このエピソードだけだと訳が分からないですね




