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タナトス  作者: 紫恋
序章:ギルド作成
12/21

設立

どうしてこうなった。

2つの黒い影はタナトスアリアの亡骸の前に佇み4人のほうを見るように立っている。


「バグか?」

阿修羅はふとおもったことを口に出していた。


「それはないわ。こんなに完成されたバグはないでしょう。」

阿修羅も本気で言ったわけではないがメシルの言葉によりバグの線はないと確信する。


「んじゃイベント戦ってことか。」

そういって阿修羅は身構える。それと同時に恋も2つの影に注意を払いながら戦闘の準備をする。クツキも補助をつぎつぎとかけていく。



━━━━━━あな━がマ━タ━で━か?━━━━━━



阿修羅の耳に2つの声が混ざり合ったような声が聞こえた。いや聞こえたというよりは頭に直接響いた感じだった。ふと他のメンバーを見る。戦闘の準備をしていることからプライベートチャットだと判断し、誰からか知るために反射的にチャット欄を確認する。するとそこには何も記載されていなかった。気のせいかと思い2つの影を確認する。すると影が小さくなっているのに気がつく。


最大4mほどまで膨れ上がっていたその影は半分の2mほどまで小さくなっていた。


━━━━━━貴方がマスターですか?━━━━━━



不鮮明だった先ほどの声。今回ははっきりと聞こえた。もう一度チャット欄を確認するがやはりそこは空白だった。


そうやっているうちに補助も掛け終わりメシルとクツキは攻撃スペルの詠唱を始めている。阿修羅は2つの影に目を向ける。



「ちょっと待て。」

阿修羅は詠唱中の2人に言う。詠唱中の2人の足元にあった青と白の魔方陣が消える。



「えーどうしたのー?」

その言葉に疑問を持った恋は阿修羅に言う。



「あれを見ろ。」

そういって阿修羅は前方を指差す。すると先ほどまでただの黒い影だったものは150cmほどの人のシルエットになっていた。相変わらず大鎌を持っていたがそれも2mほどになっていた。



ずっと見ていると右側の影が白く発光しはじめる。それとは反対に左の影は黒く闇に染まっていく。それと同時にフィールド全体が闇と光に包まれる。




「っ!」

4人は反射的に目をつぶる。





そして目を開いたときに見たものは2mもの身に似合わない大鎌をもつ2人の少女だった




「「プレイヤー名阿修羅をマスター設定しました。」」



2人の少女は阿修羅のほうを見てそう言う。

その言葉にメシル、恋、クツキは阿修羅に目をやる。


「え?まじかよ...」

わけのわからない展開についていけず阿修羅は放心する。
















それから1時間後、タナトスアリアの亡骸からタナトスアリアの心臓を抜き取り、神殿を脱出した4人...もとい6人は半ば拠点と化しているグラディウスのリランチに来ていた。


「んで、メルとリルはAIだと?」

阿修羅は帰るときに聞いたことを信じられずもういちど2人の少女に確認を取る。



「「そうです。私たちはAIです。」」

黒髪の長い髪を持ち、白いドレスと大鎌を持つ少女メルとそれと対になるように白髪の黒いドレスと大釜を持つ少女リルは答える。


ちなみに名前は阿修羅が半ば放心状態でつけた名前である。



「んーAIの守護獣ねーしかも人型でしゃべるなんて聞いたこともないわ。」


守護獣とはスキルであるテイミングで仲間にしたモンスターの総称である。しかしテイミングで仲間に出来る通常モンスターの強さはたいしたことがないため一般的にはネタスキルとされている。しかしテイミングを究極まで極めたプレイヤーはボス級のモンスターまで守護獣に出来るためLVが低いうちは戦力にならない守護獣使いもLV60くらいからはダンジョン探索やボス討伐でも戦力となっている。



「「厳密には守護獣ではありませんがその認識でかまいません。」」


「俺テイミングの技能LV1なんだけど...」

阿修羅のテイミングLVは1。1LVで仲間に出来るのはせいぜい始まりの村である辺境の村付近にいるスライムくらいである。スライム以外、しかも少女2人を守護獣になんていった日には他のプレイヤーに何を言われるかわかんない。


「それならさーメルとリルをプレイヤー扱いにしちゃえば?見た目人だし。」

いままで口を閉じていた恋が提案する。しかし...



「それは無理...プレイヤーならサーチすれ.....ば?」

そういってクツキの顔は言い終わる前に驚きの表情に染まる。


「ぇ...プレイヤー?」

その言葉に阿修羅とメシルは2人をサーチする。


すると現れたのはプレイヤー情報。黒の少女『メル』84LVと白の少女『リル』84LVというものだった。


「なんだお前らプレイヤーだったのか。」

阿修羅は半ば祈るように2人に問いかける。


「阿修羅、それは無理があるわ。LV見たでしょ。いくらしょぼい装備だったとしても84LVでランカー情報に載らないのはおかしいもの。」


ランカーは単純にLVの高さだけでは決まらない。それは2つ名であったりステータスの高さであったりする。しかしLVの高さが多くのウエイトを占めているのも高さである。ステータスがいくら低くてもランキング2位である阿修羅と同じLVでランキングに載っていないのはおかしいのである。



「これは恋の言うとおりプレイヤー扱いするしかないかな。」


「「それはダメです。阿修羅様は私たちのマスターですので。」」

阿修羅が自分たちをプレイヤー扱いするという言葉に反応して2人の少女は阿修羅に詰め寄る。



阿修羅は女に弱い。確かにいろいろからかわれているため、ある線では耐性はあるが2人の少女、たとえAIであっても美人に分類されるであろう少女に詰め寄られては折れるしかなかった。









「まぁとりあえずイベントで取得した守護獣ってことで。」

そういってその話を終える。



「んじゃギルドのことだけど今から設立しにいくけどギルド名はどうしようか。」

阿修羅は提案する。


「アッシュが決めればいいよー。」

恋は即答する。



「言い出しっぺだし阿修羅が決めればいいんじゃない?」

メシルも答える。


「私も二人に賛成...」

クツキも答える。


「はぁやっぱそうなるか。俺のネーミングセンスに期待すんなよ。」

阿修羅は頭を掻きながら答える。












その日。タナトスオンラインの掲示板にはある情報が流れる。

ランカー4人+2人のギルドが出来た。その名前は「モノトーン」と。

これで序章は終わりになると思います。たぶん...

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