第8話 街への街道
第一章
第8話
「はっくしゅん!」
夢月は角ウサギの耳をハムハムしながら眠ってしまった。
寒く感じて起きると角ウサギはいなくなっていた。
(寝てしまっていたか。少し薄暗いから夜か、はたまた一夜して夜明け前か)
遠く見える空は明るいからそのどちらかだと思った夢月は角ウサギがいないことに少し落ち込みながらもあるきだした。
何処へ向かうかなど分からないから、適当だ。
歩きながらステータスについて考えることにした。
あれだけのぶっ壊れステータスだから使用スキルも制限して、身体のスペックの確認もしないと、異世界の人達にあって少し触れ合っただけで弾け飛ぶなんて事にもなりかねない。
(スキルの制限としては、《全魔眼》《変態》《言霊》《アイテムボックス》を基準として、隠してあるいは知られるとしても限定的として《創生・創造》《勾玉作成》《ステータス操作》《変態》といったところか)
《変態》に関していえば姿を常時変えたりするけど知られないようにしたいから、《全魔眼》は能力の一部は公開しても何ら問題はないと思うし、《言霊》は完全隠蔽でなんかあったら《創生・創造》で誤魔化す。
《アイテムボックス》は隠す気は全くないものもつの面倒だから最低限しか持つつもりはない。
スキルで一番使いそうなのは《創生・創造》と《言霊》かな?
この世界の食料事情が分からないから食料系はこれで補うとして、角ウサギがいたということは魔物や魔獣がいることも想像に難くない。
だから、武器類もこのスキルに頼らざる負えないのだ。
もう一つの《言霊》に関して言えば、使い勝手が良さそうだからだ。
たがスキルの詳細で使い方がわからない。
「水よでろ…」
言葉にしても出てこないのだ。勝手に身に着けていた魔力を感じながらやってもだめだった。
魔力制御の方はやろうとしたら魔眼が反応していたからそういう力もあるのだろう。それはまた後で検証かな?
あれやこれやとやっている内にできるようになった!
使用方法は魔力制御とかではなく、肺のなかを魔力で満たしてやればいいだけだった。
口にするだけで全てが起きるのでわないだけ危険も少なそうだ。
そして、魔眼なども自分で思ったあるいは必要に応じて能力が変わることもわかったあたりで、遠くに道を見つけた。
検証もほぼ終わったので、道まで歩いていくとその脇に座り込んだ。
周りを見渡すと明るくなっていることから朝方だったようだ。
夢月ははこちらの世界に来てから何も食べていなかったのを朝日を見てから気が付いた。
《創造・創生》でとりあえず菓子パンを出して、少しちぎると食べてみる。
「食べられるみたいだから、本当に食料に関して心配しなくていいのだな」
《創造・創生》は魔力を消費するけど無限だからと三つほど出して食べたら、どちらの方向に道沿いに歩いていこうと考えながら夢月は
腹を満たすのだった。