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雨
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- 渋谷駅 -
まるで人気のない渋谷のロータリーに着地した Pleiades は、もはや力尽きていた。
装甲も解除し、立ち上がる気力もない。
30 分前に響き渡った爆発音が、涼介の心に不安をかき立てていた。
……恵美さん、まさかさぁ。
なぜ、恵美は来てくれない。いや、そんなことは有り得ない。本能では理解していても、理性が悲鳴を上げる。
AM内の香織の声も絶えていた。
「もう……いやだ、一人はイヤだよ……」
ふと見上げると、空は一面の厚雲に覆われていた。
ぽつり、ぽつりと頬をうつ雨。
「やっぱり、降った……」
香織、恵美さん、洋介兄さん……。
激しさを増す雨足に紛れ、意識の遠のく涼介の頬は別の物に濡れていた。
「こちらエコー1。目標確認」
2機のヘリ、ブラックホークが土砂降りの渋谷駅に降下した。
『少年は保護、朝霞へ送れ。AMは丹沢、 GDS の連中と監禁だ』
「了解」
陸上自衛隊。
慣れた動作の隊員たちが、意識のない涼介と香織をそれぞれの機に積み込み、雨空に離陸した。
プレアデス 第4章「訣別」 終
To be continue ……




