表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/63

現実

 圧倒的だった。

 9体残っていた機甲体は全機沈黙。恵美たちの被害はほぼ無きに等しかった。

 正直言えば、手応えがなさすぎだ。

 「昨日の奴とは格が違うのか……」

 シンの呟きをイェンが笑う。

 「そんなんじゃ昨日の言い訳に聞こえるよ」

 『いや、実際そうかもしれん』

  phantom だ。

 『映像で比較すると……例えるなら、昨日の奴は防弾チョッキを着ていたが、今の奴らはまるで下着姿だ』

 ……確に。

 四人は同じ感想を持った。

 『 Elephant 、もう一度映像を送れ』

 「りょーかい」

 踵を返したレイが、思わず呻きを漏らした。



   -GDS 集中発令所 -

  Wyvern を経由して送られた映像に、室内が沈黙した。

 もう動くことのない遺体は、既に装甲が消失していた。

 どう見ても人間のそれ……いや、そんな大くくりな枠など吹き飛ぶ現実が目の前にあった。よもや、そこに知るべの顏を見ることになろうとは。

 「……お、近江」

 赤城の口よりやっと出た言葉がそれだった。

「どういうことなんだ!」

 沈黙を破る赤城の叫び。

 「やはり……奴らは我々人間を兵士としていたのか」

 やけに冷たく見解を口にした藤岡に赤城は詰め寄った。

 「じゃぁ我々は、敵の本体に行き着くまで仲間同士、潰し合わにゃないかんのですか!」

 「そうならない為に……」

 「ために?」

 「長官!呼び出しです!」

 一触即発の二人を オペレーターが引き止めた。

 「そちらに回します」

 息荒くモニターに向かうと、それは医局部長の小林だった。

 『長官、すぐに呼び戻してください!』

 「……え?」

 意味が分からない。

 『シン・オルコックですよ!彼の骨はまだ完全じゃない、戦える体じゃないんですよ !! 』



     -Wyvern-

 「なんだって !? 」

 寝耳に水。東郷は思わず聞き返した。

 『とにかく呼び戻せ……』

 ……丁度いい。近江を現場で確認出来る。

 「では、自分が出……」

 『いやいい。直接話す。 tomcat と中継しろ!』

 ……まさかあれは。

 横で聞いていた香織は、シンの注射を思い出した。 と、隣で涼介が蹲る。

 「涼ちゃん、どう……」

 言葉が続かない。涼介の胸に、光の球が浮き出ていた。

 「この感覚……お前は……」

 呻きに似た涼介の声。胸の……いや、心臓の光を取り巻くように、七つの光が回転した。

 「ねぇ、涼ちゃん……」

 香織の言葉は耳に入らない。

 「お前は Vega !」

 不意に席を立ち、搭乗口を……解放。

 「な、何をしてる!」

 気圧差で機内の空気は嵐のように吹き荒れた。

 「やらせるかよ!」

 「待って!」

 香織の止める間もなく空へ飛び出した。

 「 ベガぁぁぁぁぁ!! 」

 「涼ちゃん!」

 空中で光に包まれた涼介を確認し、香織はカーゴエリアへ駆け出した。

 「あたしも出ます!」

 「なに !? 」

 東郷が振り返ると、既に香織は消えていた。

 「 セット AM !! 」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ