表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/63

首都防衛


      第 3 章  強襲


      1

    - 神宮外苑 -

  午前 9 時 43 分。陸上自衛隊第一師団(練馬)が誇る戦車大隊の10(ヒトマル)式戦車。その主砲計15門がずらりと並ぶ。

 應義塾大学病院前より一斉射。腹に響く轟音と共に射出された徹甲弾及び成型炸薬弾は、正面に展開する機甲体を3体吹き飛ばした。

 「着弾確認!直撃です !! 」

 監視要員が甲高く報告。

 目の前に広がる惨憺たる情景……信濃町駅全壊、第一普通科連隊全滅。

 医療の最先端を誇る信濃町駅前は、瓦礫と硝煙とそして、犠牲者に満ちていた。

  17体中、やっと3体……。しかも、首都防衛及び攻城戦兵器の戦車15両を以ってこれだ。

 「くそ!奴らは化け物か !! 」

 首都高外苑インターチェンジ付近に指揮所を張る山形一佐は、机に拳を強打した。

 「我々の範疇ではありませんよ……」

 参謀の大石二尉は地図を睨み付けた。

 「民間人の避難だけでも」

 首都防衛の花形。山形はそう信じてきた。しかし……。

 「 GDS の遊撃隊はまだか !! 」

 自尊心は致命傷を負っていた。



   - 世田谷区上空 -

  20 人収容可能な Wyvern の人員輸送スペースに、7人は余裕を以って待機した。

 東郷を始め、恵美、シン、香織。その横で物珍しそうに視線を巡らせる涼介。その涼介に、二人の職業軍人然とした男が無遠慮に視線を向けていた。

  elephant ことレイ・チェンバーズと、 eagle ことイェン・クンミンだ。

 「よぉ兄ちゃん」

 髭面のレイが涼介に声をかけた。

 「はい?」

 「挨拶だよ。俺はレイ。そっちはイェンだ。俺たちの前に出るなよ。誤射はしたくねぇ」

 下品な笑い声と共に差し出されたごつい手を、涼介は握り返した。

 「お願いします。戦争なんて初めてなもんで」

 レイとイェンは再び笑う。

 昨夜の出来事は小耳に挟んでいた。真偽の程は別として。

 ただ、涼介から緊張や恐怖といった感情は読み取れない。鈍いのか、落ち着いているのか……。

 「俺も、昨夜のようなのはごめんだ」

 腕をまくるシン。注射器を腕に押し当てていた。

 「あんた、それ何よ。ドラッグ?」

 問い質す恵美にシンは片目をつむる。

 「まさか。ビタミン剤」

 機内僅かに差し込む陽光が傾いた。機体が旋回運動に入った証拠だ。

 「お客さん、神宮上空に到着したぜ」

 トマスの声に、張り詰めた緊張が走る。

 「トマス、旋回しつつ待機頼む」

 東郷は壁面のヘッドセットを掴んだ。

 「客待ちかよ。メーターどうすんだい?」

 トマスの返答に、シンがくっくと笑いながら応えた。

 「悪いがメーター戻しといてくれよ。請求は赤城のとーちゃんによろしく」

 『 tomcat 、お前の親父になった覚えはないぞ』

 シンは肩をすくめた。

 「聞こえてたよ」

 『冗談は終りだ。 phantom は上空より指揮統括。 minx 、 tomcat 、 eagle 、 elephant は降下、機甲体と交戦。 rabbit 、 pleiades は上空待機』

 「了解。直ちに状況を開始する」

 足下より、砲撃の衝撃が伝播した。ここはもう、戦場なのだ。

 「香織、あんたはあんたの任務、キッチリ果たしなよ」

 恵美は荒くれを連れ、カーゴスペースに消えた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ