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死臭女神  作者: 駿河留守
3章 -悪魔釣り-
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姿をくらます女神-1

 波羅くんのお別れ会があった日も志州は学校に来ることはなかった。教室、いや学校中で涼元さんが言い放ったことが噂となって広まっている。波羅くんは自殺ではない。殺されたのだ。死体好きの異常な志州という女子生徒が殺したのだという噂だ。人の良い波羅くんが志州のお願いをバカみたいに聞いて誰もいない教室に連れ込んであらかじめ用意していたロープで首を吊った。素直で純粋な波羅くんだったらやりかねない。しかし、俺は知っている。波羅くんを志州といっしょに発見した数分前まで俺は志州といっしょにいた。帰り道の校門前で俺のことを待っていた。教室で波羅くんを殺すための準備なんてしていない。志州の潔白を信じてもらうための材料はすぐにでも集められる。確証を得られる。でも、それで誰もが納得するとは考えられない。特に涼元さんだ。波羅くんが自殺する要因はない。いや、俺たちが知らないだけであるのかもしれない。

「・・・・・・志州」

 真実を知ることのできる、完璧な確証を持っている少女の名前を俺は小声で呟く。

 帰りのHRの中でアンケートが配られた、いじめを受けていないか?またはいじめと思われるような行為を見たことないか?というものだ。俺はこの学校に来て間もないからこんなアンケートに答えられるはずもない。アンケートに手をつけず志州のことを考えていた。俺は志州のことを信じることで彼女の心を救った。だが、今の状態ではそれだけでは救ったことにはならない。このままでは志州は孤独なままだ。見に覚えのない殺人の罪を背負わせることになってしまう。それだけは避けるべきだ。運のいいことに俺には成木という刑事がいる。そして、もう二度と話すことのできない死体と会話できる志州もいる。さらに俺にはどんな臭いも嗅ぎ分けることのできる鼻がある。

 アンケートを後ろから回収して今日は下校となった。それぞれが和気藹々と部活に向かうものや下校途中どこに寄り道するかを話し合っている中で俺は一直線に井東先生の下に行く。タバコとミントの混沌とした臭いは本当に吐き気がするが、志州の強烈な悪異臭と比べたらかわいいものだ。そう、俺は志州に救われている。あのどんな臭いよりも強力で強烈な臭いと長く関わっているおかげでそれ以下の臭いがまったく気にならなくなったからだ。この救いの礼をしなければならない。そのためならば、俺が孤独になることを望もう。

「先生」

「ん?どうした?」

「志州の家はどこですか?」

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