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DVD

勧誘騒動でひとしきり騒いだあとにそれはやって来た。


最近はバイトが休みの日に、タツキの家にあがりこんで、アニメを見ているタツキを見るのが習慣化している。

たまにゲームをしたりするけど、基本的に放置プレイ。

一緒にゲームをしたりもしないことはないけど、基本的に放置プレイ。

眺めておくだけ、そんな日々が続いていた。

それに慣れつつあった、そんなときだった。


麦茶を探す手と手がぶつかる。

「あ、ごめん……」

なんだか気まずいかんじがして謝った。

「いや、ごめん……」

タツキも謝る。

しんと静まり返る中でテレビの音だけが聞こえる。


少しの沈黙の後、タツキが切り出した。

「さやかちゃん、俺ら付き合ってもう何ヵ月か経つよね」

そういえば、付き合い始めたのは春先で、桜がたくさん咲いていた。

「うん……なんか不思議な感じはいまだにするけどね」

ホントに不思議な感じ。

もう前からずっとこうしているような、そんな感じすらする。

なのに、いまだに一挙一動にドキドキする。

バイト先でも思わず見とれちゃったりもする。

まあ、これはタツキからはないんだろうけど。



「キス……してみていいかな?」

どうぇっ?!き、き、き、キスぅ?!

そりゃ、してもいいに決まってるけど、わざわざ聞くことかっ?

聞くことなのかっ?

私は一体どう答えればいいの???


とりあえず

「……いいよ」

と言う。

かなり内心ドキドキだ。

「ホントに?」

ホントだってば!

嘘言って得することなにもないし!

「うん、いいよ」

私は目をつぶった。



柔らかい感触が唇を包む。


……ホントにキス、しちゃった……


頭が真っ白になる。

柔らかい感触、ほんのり麦茶の味がする。


タツキはそのまま押し倒してきた。

えっ、今日は勝負下着じゃない……

けど、拒むこともできない。

えーい、こうなったら腹を決めてやる!

来るなら来ーい!!


「さやかちゃん柔らかい」

ふふっ、とタツキが笑う。

その声にぞくっとする。


「タツキくんだって、柔らかいもん」


恥ずかしさのあまり顔を背ける私。

そんな私にはお構い無くじっと見つめてくるタツキ。

そのまま手が下におりていき……

胸の上でとまった。

しばらく服の上から触られていたのに、気づいたら侵入者がいた。

吐息をもらす私。

恥ずかしいぃぃい!

そんな考えもどこかへふっとんでしまうくらい攻め続けるタツキ。



そして……いたしちゃいました!!

わっほーい!!


事態はそんなときに起きた。


まだ繋がったばかりの私たち。

かなり恥ずかしい。



そんな時に、無情にもテレビが切り替わる。

「あっ、このアニメみなきゃ!」

繋がったままタツキが言った。

そしてそのまま10分経過……

20分……

「あのう……」

「あっ、さやかちゃん、ごめんね、ごめんね!」

繋がったまま20分待たされた私って、一体なに?


「あと10分待ってね」

10分待ってねとか言われたって、もうこっちはやる気なくなっちゃいました!


10分後にタツキが

「ごめんね!ごめんね!続きをしよう!」

と言ってきた時には私はもう怒りの頂点に達していた。

「もういいっ!帰るっ!」

私はそう言い残してタツキの家を飛び出した。


タツキが追ってくるまでにはまだ時間がかかる。

ズボンを履かないといけないからね。

私はそれも計算してゆっくりと歩き出した。


「さやかちゃん、待ってっ!」

案の定飛び出してきたタツキ。

私の姿を見つけ、少しホッとしたように、小走りでやって来た。

「ごめんね!今日みたいなことが起きないように、DVDに撮ってみるからっ!」

そこだけは譲れないのね……

「仕方ないなぁ」

今回だけは、許してやるか!!

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