運命本
途中展開を急ぎ過ぎたのがもったいなかったが 許して下さい。
この世界は、全ての出来事、行動、未来までも本によって決められている。 全ての人間が6歳になると渡される本が存在し、全ての人間はそれを信じその運命通りに進んで行かなくてはならない。 何も分からないまま、僕にもその本が渡された。 「これからこの本に書かれてるように行動して、話す事もこれにしたがいなさい」 小さい僕はさっぱり意味が分からなく、困惑するばかりだった。 パパもママも本の通りに話さないと何も返してくれずただ無視するだけで、毎日が楽しくなかった それも中学生になると慣れはじめるが、友達、家族、すべては作られた笑顔、決められた友達だった。 それも高校生になるとそれもなれ、それが正しい生きたかだと思っていた
所が高校を卒業する目前に僕は父と母に話があると呼びだされた 「 もう生きるのに疲れた。 お前を最後まで見守れなくってごめんな」 「あなたを産めて私は幸せだったわ」 「………。」
本通りの言葉 「死すらも本通りに進んでいく道が正しいのか」 僕はいつの間にか叫んでいた。
父と母は僕に微笑み最後に 「自分らしく生きろ」 そう言い残して、この世を去った。 最後の言葉だけは親としての本当の言葉だった。 涙で前が見えず泣き崩れた。本には僕がその場で自殺する事が書かれていたが、それに逆らって 僕は本を捨て、会話をすることが無くなった。
ただ僕は無心に本の思い通りにならないように行動して行った。 自殺する人を助け、犯罪する所を防ぎ、殺されそうな人を助けた。
だが全ては無駄だった。次の日にはまた新たな人が死に 新たな犯罪者が生まれる どうしても運命本にみんなは従ってしまっていた。 僕にはどうにも出来ない 僕は悲しみのどん底だった そんなある日 僕が助けた女の子が僕を訪ねてきた。 「前助けてもらった者ですが、覚えてますか?」 「………」 「覚えてないですよね…。助けて頂き凄く感謝してます」
「………。」 僕は耳を傾けなかった。 所詮本通りに僕の所に来て、お礼を言うそう行動されていると思ったからだ。 「あの後本を捨て自由に生きて行こうと決めたんです」 ぼくはびっくりした。彼女は話を続けた。 「あの時本のように死のうと決めていました。そこであなたが助けてくれたおかげで、間違ってる事に気付きました。 有り難うございました」
本を捨てた?僕は耳を疑った。彼女はその事を言って帰っていった。 彼女は次の日から毎日のように、僕に会いに来た。 困惑する僕がいたが、僕の心は少しずつ彼女に引かれ心を開いていった。 それからの僕は人生が変わった毎日が楽しく、彼女との自分達の道を歩んでいった。 その後彼女と付き合い結婚した。 子供も生まれ幸せで暮らしていたが 子供も大きくなるにつれてケンカをするようになり、話す事が減っていった。 そんな時子供が事故に遭いこの世を去った。 とても辛く悲しみのどん底まで落ちていった 彼女とも会話が無くなり、僕は助けてやることができず彼女もこの世を去った。 その後僕の所に一つの本が届いた。 それは今まで行動した事話した事 子供の事故死、全てが記されてる物だった そう今まで僕たちが行動したり話したりしているのは、自分の意思ではなく前から決められた道だった。 運命本に操られていたのではなく、生まれた時から運命は決まっていたのだ 全ての行動、言動決められた道を進んでいただけなのだ…。 運命は変えられない もしかしたら今話している言葉も運命に決められた言葉なのかもしれない。
「運命本を見る」 「バタン」
良かったら感想を☆