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シノビ  作者: 宵代 月乃
4/10

佐助が少女の監視を外して二週間後。

任務に出向いた部下が毎日のように『夢幻の華』に遭遇した。皆、攻撃はされなかったが、『猿飛佐助』について聞かれた。声は何故か覚えていないそうだ。

(俺に用でもあるんすかねぇ。)

部下は一人も殺されていない。敵では無いのだろう。だが、味方でも無い。

彼女は一体何がしたいのか。

そんなことを、考える。もう夜は白みはじめている。考え始めたのは夕方、かなりの時間が経過している。

ガタン。


「!?」


何の音か確かめに行くと…、あの少女が洗濯桶を派手に転がしていた。

確か、名前は百合。愛という妹がいる。少女のようだが、年は佐助の予想と反して十九だった。なかなか仕事は出来るようで、重宝されているらしい。


「また、落としちゃいました。」


百合は、洗濯桶を拾おうとして、動きをとめた。


「!?誰ですか!」


百合の真後ろにいた佐助の顔目掛けて、回し蹴りが飛んでくる。

(おお、やるねぇ。)

避けようとしてから、やめる。

百合の足は、佐助の顔紙一重のところで止まっていたからだ。


「あれぇ?なんで蹴らないの?俺不審者じゃん。」


明らかに動揺した百合は、


「わ、私はか弱い乙女でございます、お、男の方に立ち向かうなど、できませぬ。」


と言って顔を伏せる。さっきの回し蹴りなら、戦場でもやっていけそうだが。


「か弱い…?」


百合は沈黙している。無視された。


「あの、あなたは一体…」

「名も無き忍者です。」

「まあ。」


流された。


「反応薄っ!ちょっと傷つくんだけど?」

「さよなら、また、あの、会いましょう。でっ、では。」


なぜか物凄く慌てたまま、走っていく。


「(かーわいーなー。最近美少女と縁があるような・・。ラッキーー。)」


百合は去った。

佐助は、百合のいた空間をじっと見ていた。


「(『夢幻の華』も美少女だったりして。)」


くだらないことを考えていた。

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